憤怒レポート第9弾 国家公務員は退官後もウハウハ「天下り天国ゾンビ団体」に怒れ!

2012年03月02日(金) フライデー

フライデー経済の死角

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---具体的に何に使うのか。

「今年は難視聴対策もあるし、衛星放送受信の設備整備などのための費用です」

 総務省の方針どおりにやっていることだから、自分たちが批判を受けるいわれはないというわけである。総務省OBに聞くだけムダということか。

独法向け予算は約3兆円!

 天下りが4人もいるのが(株)農林漁業信用基金である。'09年度には9人もいた。'10年度の補助金は35億円。同基金は、「理事長を含めた理事は7人と決まっていて、'09年度は新旧の入れ替えが行われた時期で数が増えています」と説明する。しかし、業務自体は事業仕分けでも無意味と酷評された。

 (株)国際観光振興機構も「要らない外郭団体」の一つだ。'08年に観光庁が設立され、存在する意味がなくなっているのに、いまだに残っている。'10年度の補助金は19億円、天下り一人。同機構の元職員が告発する。

「外国人観光客の誘致が主な目的ですが、昨年の震災前には年間800万人ほどに増えた。数字だけ見ると頑張っているようですが、そうとは言えません。増えた一番の大きな理由は諸外国の経済が発展したこと。次が政府がビザの発給条件をかなり緩和させたこと。ですから、機構や観光庁が自画自賛しても虚しいですよ。近年は市町村ごとに諸外国の都市と交流を深めたり、民間でも温泉街などの観光地が旅行会社と組んで、外国人観光客の誘致に熱心に取り組んでいる。客観的に見て、明日この機構がなくなっても誰も困りません(笑)」

 (株)都市再生機構(UR)は'10年の事業仕分けで、中島隆利衆院議員から、「財務省や国土交通省出身の役員が13人、職員が200人近い天下り天国だ」と厳しく批判された。特に11兆円に上る債務を抱える賃貸住宅事業の縮減を求められた。しかし、現在も天下り理事が4人いる。

 天下りとは逆に、「天上がり」を実施する団体もある。(株)国民生活センターは、'13年度中に中央省庁に統合されることが決まっているが、その際、職員を全員、国家公務員として採用するという。公務員の人件費削減が急務の折に、何を考えているのか。他にも年に3000億円以上もの税金が注ぎ込まれる㈱住宅金融支援機構などは、民間銀行のローンの充実を考えれば不要。問題法人は目白押しだ。前出・北沢氏が言う。

「独法の数を減らすことによって、逆に組織が大きくなって、権限がついて予算を多く取れるようになる。結局、天下り官僚にカネが流れる構図は変わりません。独法は廃止もしくは、民営化の二択のみにするべきです」

 国の独法向け財政支出は、'11年度政府案で2兆9881億円。スリム化すればまだまだ支出は減らせるはずなのに、多くの血税が不必要な団体と天下り役人の給与に消えている。前出・若林氏が言う。

「ムダな独法と天下りをなくせば、消費税を上げずに済むのです。消費税増税は、政治家や役人による庶民からの搾取です。我々国民は、昨年の中東の春のような抵抗をしてもいいくらいバカにされている。絶対に許してはいけません」

 消費税増税がどうしても必要などという政府の詭弁に騙されてはいけない。

「フライデー」2012年3月9日号より

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