「先に額を決めてから予算の積算根拠を作るのが彼らの手法です。一度予算を組んだら、その分は放さない。自分たちの利権と考えているのです。天下りポストも増える一方です」(行政改革問題を追及するジャーナリスト・北沢栄氏)
その'12年度の予算305億円のうち200億円強がDpaに回される。そもそも、'10年度の決算を見ると、Dpaの総収入は約347億円で、そのうち補助金が約280億円。実に8割以上を占める。ほぼ補助金で運営されていると言っていい。『地デジ利権』の著書がある世川行介氏が批判する。
「Dpaは、理事長に日本テレビ最高顧問、専務理事にNHKの元プロデューサー、以下、家電メーカーの幹部らが名前を連ね、総務省からも官僚二人が天下っています。官・放送・メーカーの癒着の象徴のような団体です。典型的な、補助金に依存する公益法人と言えます」
Dpa側はどう反論するか。理事・北原俊史氏は本誌にこう話した。
「当団体は社団法人で、利益を目指しているわけではありません。地デジ化に対する受信者支援を進める国のお手伝いをしているだけ。補助金事業として行っているだけです。確かに地デジ化は終わりましたが、それでおしまいではないし、仕事がなくなったわけではない。後始末をするにもおカネがかかるのです」
天下り批判については、
「まあ、そういういろいろなご意見を持つ方がいらっしゃるのも、民主主義国家として当然だろうと思います」
と馬耳東風である。『地デジにしたいなんて誰が言った!?』の著者であるジャーナリストの荒川顕一氏が言う。
「地デジ化のどさくさにまぎれて、総務省が自らの天下り先確保のために、関連団体を乱立したとしか思えない。理事の報酬も月額140万円と高額です。ボーナスも加えれば、年収2000万円はあるでしょう。退職金も出ます。そもそも難視聴地域が生まれることが分かっていたのに、地デジ化を強行して、難視聴地域をサポートするなんておかしな政策です」
総務省からの天下り理事の一人、山腰明久氏を直撃した。
---すでに地デジに移行しているのになぜそんなに予算が必要なのか。
「昨年の300億円を超える予算から200億円に減額している。それに、業務もある」
---200億円強は多すぎるのでは?
「総務省が決めたことだから。うちは総務省の(業務を行う業者の)公募に対して応募しただけです。私たちはお手伝いできればと思っていることですから」
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