アジア太平洋地域に展開するアメリカ海兵隊の再配置計画で、新たな派遣先として名前が上がっているフィリピンの外相は、防衛力の強化を図るうえでアメリカ軍の部隊は必要だとして、受け入れに前向きな考えを示しました。
アメリカ政府は、軍事力を増強する中国を念頭に、アジア太平洋地域での海兵隊の再配置について検討を進めていて、フィリピン西部のパラワン島にもローテーションの形で新たに部隊を派遣する方向でフィリピン政府と協議を進めています。
これについて先月28日、マニラのホテルで講演したフィリピンのデルロサリオ外相は、「アメリカの押しつけではなく、フィリピンが最低限の防衛力を身に着けられるよう支援を要請している」と述べ、海兵隊の受け入れによって共同訓練の機会が増え、フィリピン軍の能力を強化することができるとして、受け入れに前向きな姿勢を示しました。
また、デルロサリオ外相は、フィリピンの憲法が他国の軍の駐留を禁じているためアメリカ軍が基地を設けることはないとしたうえで、これまでの合同軍事演習の枠組みを活用し、訓練の名目でアメリカ海兵隊が活動拠点を設けることは可能だという見解も明らかにしました。
フィリピン政府は、20年前に、それまで国内に駐留していたすべてのアメリカ軍部隊を撤退させた経緯があり、部隊を受け入れることになれば国内で論議を呼ぶ可能性が指摘されています。
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