2010年(平成22年)分の路線価が7月1日に
国税庁から発表されました。前年に引き続いてすべての都道府県で下落となったほか、圏域別の平均路線価は、東京圏が9.7%の下落(前年は6.5%の下落)、名古屋圏が7.6%の下落(同6.3%の下落)、大阪圏が8.3%の下落(同3.4%の下落)、地方圏が5.9%の下落(同3.8%の下落)で、いずれも下落率が拡大しています。
このところ「日本経済は緩やかに回復しつつある」といったニュースなどもいくつかみられるようになり、大都市圏ではマンション市況の改善なども伝えられていますが、地価をめぐる環境はまだまだ厳しい状況だといわざるをえません。
それでは、今年の路線価の傾向についてもう少し詳しくみておくことにしましょう。
【路線価とは?】
相続税および贈与税の算定基準となる土地評価額。毎年1月1日を評価時点として、都市部の市街地ではほぼすべての路線(公道)に対して価格が付され(路線価方式)、その他の地域の宅地については倍率方式(固定資産税評価額に対する倍率を定める)によります。なお、路線価は公示地価などの8割が目安とされています。
地域によっては実際に取引される実勢価格との間に相当な乖離がみられるものの、調査地点(標準宅地)数が約38万で公示地価の約3万よりも格段に多く、地価の傾向を知るためには公示地価よりも適した指標となります。 |
※
国税庁のサイトでも、7月1日から平成22年分の路線価図を閲覧することができるようになっています。
(平成20年分から22年分までの路線価図などの閲覧が可能です)
東京都の落ち込みが最大に!
全国の標準宅地、約38万地点の平均路線価は1平方メートルあたり126,000円 (1坪あたり約416,500円) で、2年連続のマイナスでした。その下落率は8.0%で、前年の5.5%から大きく拡大しています。
都道府県別では、2年連続してすべてが下落となりました。そのうち東京都の下落率が最も大きく11.3%のマイナス。続いて大阪府と福岡県が9.4%、愛知県が7.5%、宮城県が7.4%のマイナスとなっており、2007年までの地価上昇局面で目立つ動きを見せた大都市を抱えたところほど、その反動も大きくなっているようです。
路線価と同じ評価時点である今年の公示地価では、東京都と愛知県の住宅地で下落率の鈍化がみられましたが、大都市圏の路線価(住宅地や商業地の区別はありません)で同様の傾向がみられるのは来年以降となるのでしょう。
下落率が最も小さかったのは沖縄県で、マイナス1.6%でした。また、青森県、岩手県、佐賀県、鹿児島県、沖縄県の5県は前年よりも下落率が縮小しています。
路線価変動率の推移
圏 域 |
2004年 |
2005年 |
2006年 |
2007年 |
2008年 |
2009年 |
2010年 |
全 国 |
▲5.0% |
▲3.4% |
0.9% |
8.6% |
*10.0% |
▲5.5% |
▲8.0% |
東 京 圏 |
▲2.7% |
▲0.8% |
3.5% |
*13.1% |
*14.7% |
▲6.5% |
▲9.7% |
大 阪 圏 |
▲7.7% |
▲4.5% |
0.7% |
8.1% |
7.4% |
▲3.4% |
▲8.3% |
名古屋圏 |
▲6.0% |
▲2.1% |
2.1% |
9.1% |
*10.9% |
▲6.3% |
▲7.6% |
地 方 圏 |
▲8.2% |
▲7.1% |
▲5.7% |
0.0% |
0.0% |
▲3.8% |
▲5.9% |
※ 東 京 圏:東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県
※ 大 阪 圏:大阪府、兵庫県、京都府、奈良県
※ 名古屋圏:愛知県ほか
平均路線価の推移
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