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路線価(相続税・贈与税評価額)


相続税は相続、遺贈等によって、また、贈与税は贈与によって取得した財産に対して、その価額を課税価格として課される国税です。課税価格を決定するため、取得財産に対して評価が行われます。土地の評価は地目(宅地、田、畑、山林、原野、牧場、池沼、鉱泉地および雑種地)ごとに実施されますが、ここでは宅地についてご紹介します。

宅地の評価は、市街地においては路線価方式が、郊外地や農村部においては倍率方式が適用され、国税庁が毎年8月に、路線価図および評価倍率表から構成される「財産評価基準書」によって、同年1月時点の価格を公表しています。路線価方式とは、宅地が面する道路(路線)に設定された標準的な価格(路線価)を基準に評価する方法で、1955年に国税庁長官通達「宅地の評価について」(同年4月30日付直資43号)によって、それまでの賃貸価格倍数方式に替って導入されました(1963年までは賃貸価格倍数方式も併存)。現在、路線価は、地価公示価格の8割程度を目処に国税局長が定めています。

一方、倍率方式は、評価する宅地について、市町村が定める固定資産税評価額に一定の倍率を乗じて評価額を算出します。この倍率も国税局長が定めます(『知っておきたい相続税の常識(第9版)』(小池正明 税務経理協会 2006 p.225【DG131-H1295】参照。なお【 】内は当館請求記号です)。

相続税および贈与税の課税に際しての土地の評価額を知るための主要な資料は以下のとおりです。これらの資料には当館請求記号が付されていますが、刊行年、版等によって異なるため、ここでは原則として記載を省略しています。そのため、当館資料請求・申込システムNDL-OPAC外部サイトへのリンクでタイトル、刊行年等の情報を入力して請求記号をご確認ください。

●『路線価図(財産評価基準書)』(各国税局 年刊)および『評価倍率表(財産評価基準書)』(各国税局 年刊)
当館では、原則として1973年分以降を冊子体(図書形態)で所蔵しています。なお、2002年分以前の資料は、『財産評価基準書』等の表題のもとに国税局単位で数冊が同一請求記号で整理されており、各分冊が路線価図または評価倍率表となっています。
一方、1972年分以前については、国税庁税務大学校租税史料館所蔵マイクロフィルムから複製したマイクロフィルム(16ミリ。全220巻)を所蔵していますが(1953-1972年の20年分。表題は『相続税財産評価基準書』)、原資料の経年劣化に伴い、フィルム画面が不鮮明な個所も少なくありません。なお、この他に『富裕税財産評価基準書』(1950年)のマイクロフィルム1巻があります(【YD1-H1】)。

※路線価図および評価倍率表の具体的な検索方法は次のとおりです。
(1)路線価図
すべて書庫資料であるため、利用の際には請求が必要です。請求には各路線価図の請求記号・書名・年版・分冊が必要です。

(1)2003年以降刊行分
NDL-OPACのタイトル欄に路線価図というキーワードと、お探しの地域の行政区分名(市町村名など)または所轄税務署名を入力し(間にスペースが必要です)、出版年の欄にお探しの年(西暦年)を入力して(例「2003」年以降「2003」 年まで)検索してください。
なお、NDL-OPACの件名欄に路線価というキーワードと、お探しの地域の行政区分名(市町村名など)または所轄税務署名を入力し(間にスペースが必要です)、出版年の欄にお探しの年(西暦年)を入力して(例「2003」年以降「2003」 年まで)検索することもできます。
ただし、路線価図の内容が「千代田区、中央区、港区、新宿区」のように4以上の地域の場合、件名は「路線価 東京都」というように、上位概念の地域名が付されていますのでお探しの地域の行政区分名ではヒットしない場合があります。ご注意ください。
分冊ごとに請求記号が異なります。

(2)2002年以前刊行分
上記のとおり、国税局単位で同一の請求記号が数冊の分冊に付与されているため、お探しの地域の路線価図が何番目の分冊に掲載されているかを調べる必要があります。そのために、お探しの地域の所轄税務署を調べます。

(3)1953−1972年刊行分(マイクロフィルム)
年単位で同一の請求記号が付与されています(【YD1-H2】(1953年)、【YD1-H3】(1954年)の順に、【YD1-H21】(1972年)まで)。1953年および1954年分は、各年1巻に全国の情報を収めていますが、1955年分以降は、各年とも国税局別に11−14巻のマイクロフィルムから構成されています。閲覧に際しては、図書別室備付の『相続税財産評価基準書マイクロフィルム版目録』(当館作成)によって、請求記号およびマイクロフィルムの巻次をお調べください。原則として、国税局ごとに各年1巻ですが、東京国税局分のうち1956年および1963年以降については、同一年に複数(2−4巻)のマイクロフィルムが存在するため、上記目録に添付された同国税局分マイクロフィルム目次をご参照の上、該当巻次をお確かめください。なお、上記のように、路線価方式が初めて導入されたのは1955年であるため、1954年分以前の資料には路線価図(「路線価設定地域図」)は掲載されていません。

また、路線価図および評価倍率表を参照するには、当該地点の所管税務署(国税局)を知る必要があります。各税務署の管轄は、国税庁ホームページ内の
国税局・税務署を調べる外部サイトへのリンクで確認できます。このサイトを印刷してファイルにまとめたものが東京本館総合案内と科学技術・経済情報室にありますので、来館された際にはこちらをご利用ください。所轄税務署は『新日本分県地図』でも調べることができます(科学技術・経済情報室および人文総合情報室開架資料【YP6-H14】)。また、昔の路線価図を閲覧する場合にはその当時の所轄税務署を知る必要があります。科学技術・経済情報室のカウンターにある「税務署の変遷」ファイルが参考になるでしょう。

書名としては、1992年分以降は『財産評価基準書』、それ以前は『相続税財産評価基準』が最もよく見られるものです。NDL-OPACで検索する場合は、これらの書名をタイトル欄に入力するか、著者・編者名に各国税局の名称を、件名に「相続税」を入力して掛け合わせると比較的容易にヒットします。
また2003年刊行分以降は、NDL-OPACの件名欄に路線価というキーワードと、お探しの地域の行政区分名(市町村名など)または所轄税務署名を入力し(間にスペースが必要です)、出版年の欄にお探しの年(西暦年)を入力して(例「2003」年以降「2003」 年まで)検索することもできます。
書名の細部が微妙に異なる場合が少なからずありますので、当館に来館された場合は、科学技術・経済情報室カウンター備付の「路線価図」のファイルをご覧になることをお薦めします。

(2)評価倍率表
路線価図と同様、すべて書庫資料であるため、利用の際には請求が必要です。

(1)2003年以降刊行分
『評価倍率表』が都道府県単位で分冊されており、分冊ごとに請求記号が付与されています。(複数の県を一冊にまとめている場合もあります。)NDL-OPACのタイトル欄に評価倍率というキーワードとお探しの地域の都道府県名を入力し、出版年の欄にお探しの年(西暦年)を入力して検索してください。(所轄税務署名では検索がかかりません。)

(2)1992年〜2002年刊行分
各国税局財産評価基準書の第1分冊からが評価倍率表となっています。 調査ポイントの所轄税務署を調べ、NDL-OPACのタイトル欄に路線価、(財産評価基準、評価倍率でも可)というキーワードと所轄税務署名を入力し、出版年の欄にお探しの年(西暦年)を入力して検索してください。

(3)1991年以前刊行分
科学技術・経済情報室のカウンターにあります「評価倍率表」ファイルで請求記号等を確認します。

評価倍率表を用いる場合、固定資産税の評価額に倍率を掛けることになりますが、当館には各地の固定資産税の評価額を知り得る資料がほとんどないため、目安となる土地価格を算出することは事実上不可能です(固定資産税評価額は市区町村の役所で入手できる固定資産評価証明書に記載されています)。

●『三地価要覧』(海陽社 年刊)
東京、茨城、埼玉、千葉、神奈川、大阪(2004年まで)および兵庫(2003年まで)の各都府県版が刊行されており、地価公示価格と都道府県地価調査価格(いずれも当年および前年)、対前年変動率ならびに各調査地点の前面道路の路線価(当年および前年)が示されています。また、各調査地点の付近案内図があります。

●『地価公示・路線価総覧』(海陽社 年刊)
東京、茨城、埼玉、千葉、神奈川、愛知(2000年まで)、大阪(2005年まで)、京都(2002年まで)、兵庫(2005年まで)の各都府県版が刊行されており、地価公示価格(当年および前年)、都道府県地価調査価格(前年および前々年)および各調査地点の前面道路の路線価(前年および前々年)が掲載されています。また、地価公示の全標準地について、対前年変動率が掲載されています。

●国税庁ホームページ
国税庁ホームページには財産評価基準書外部サイトへのリンクがあり、最新年を含めて3年分の路線価図および評価倍率表をPDFファイルで参照することができます。
なお、具体的な評価方法については、同じホームページ内の
法令解釈通達−相続・贈与税関係外部サイトへのリンクや、タックスアンサー−財産の評価外部サイトへのリンクをご参照ください。また、財産評価に関する主要な参考図書には、例えば『図解財産評価』(大蔵財務協会 年刊)があります。

●(財)資産評価システム研究センターホームページ全国地価マップ外部サイトへのリンク
地価公示価格、都道府県基準地価格、相続税等評価額(路線価)及び固定資産税評価額(路線価)の調査地点(道路)が地図上に表示され、さらに個別地点の詳細情報を開くことができます。

 

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