患者が少なく治療方法もない「希少疾患」の患者の実情を知ってもらおうというイベントが東京で開かれ、患者たちが治療薬の開発が進まない不安などを訴えました。
毎年2月の最終日は、希少疾患の実情を知ってもらおうと患者団体が、「世界希少・難治性疾患の日」として、各地でイベントを行っています。
東京・丸の内の広場では、患者や家族が集まり、支援を訴えました。
このうち、手足の先から筋力が徐々に低下していく遠位型ミオパチーの患者の辻美喜男さんは「患者数が数百人と少ないため、採算が取れないとして、製薬会社でも治療薬の開発が進まない。厳しい現状を何とかしてほしい」と訴えました。
また、代謝機能の異常で筋肉が動かなくなるクラッベ病の子どもの父親は「診断まで4年もかかり、その間に症状が進行してしまった。早く診断できれば進行を遅らせることもできたが、希少疾患は診断できる医師が少ないのが大きな悩みだ」と話しました。
会場には、「利用できる福祉制度が少ない」といった患者の声が書かれたパネルも展示されていて、訪れた人たちが足を止めて見入っていました。
主催したNPO法人の寺田央さんは「希少疾患の患者の悩みは、なかなか表に出ない。こういった機会を通じて、広く実情を知り支援を考えてほしい」と話しています。
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