米マイクロン:エルピーダ破綻で最大の勝者に-工場取得も
2月28日(ブルームバーグ): 米半導体メーカー、マイクロン・テクノロジーは、エルピーダメモリの破綻で最大の勝者となる見通しだ。日本最後のDRAMメーカーであるエルピーダが27日に会社更生法の適用を申請したことで、ライバル企業にとっては工場を割安に取得するチャンスとなっている。
エルピーダは、DRAM価格の下落や、政府の追加支援を確保できなかったことを受け、国内では過去2年間で最大規模の破綻に至った。ただ、DRAM業界上位のメーカーが去ることで、他社は生産の管理がやりやすくなり、市況の変動を抑えられる可能性がある。市況変動のため、マイクロンは過去10年間のうち6年で赤字となっている。
エルピーダの債権者は、広島工場などの資産売却により、損失を回収する方法を探る見通しだ。米投資調査会社サンフォード・C・バーンスタインによる広島工場の評価額は10億ドル(約800億円)。マイクロンのように取得する可能性のある企業にとっては、新たに同様の施設を建設するのに比べてコストは約5分の1で済む。これは、保有現金を上回る規模の買収のために債務を抱えるより、生産能力を割安に取得すること目指すという同社の戦略にも合致する。
MKMパートナーズのアナリスト、ダン・ベレンボーム氏は、「マイクロンは明らかに勝者だ」と指摘。「今はマイクロンが資産取得のためにいくら払うかが問題だ」と述べた。
DRAMメーカー世界4位のマイクロンの株価は27日、同社がエルピーダの一部の工場の取得を目指す可能性があるとの観測を受け、7.7%上昇。マイクロンの広報担当者、ダン・フランシスコ氏はコメントを控えた。
エルピーダは、DRAM生産の約18%を占める業界3位のメーカー。工場を生産停止にしたり、他の半導体の生産のために利用したりすることで、供給過剰を緩和し、業界全体の損失を抑えることができる。
原題:Micron Biggest Winner as Elpida Bankruptcy SidelinesRival: Tech
記事に関する記者への問い合わせ先:サンフランシスコ Ian King ianking@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先:Tom Giles tgiles5@bloomberg.net
更新日時: 2012/02/28 14:27 JST