ここから本文です

<AIJ>直近の損失1000億円 証券監視委に幹部が説明

毎日新聞 3月1日(木)2時32分配信

<AIJ>直近の損失1000億円 証券監視委に幹部が説明
拡大写真
AIJ投資顧問の入るビル=東京都中央区で、山本晋撮影
 投資顧問会社「AIJ投資顧問」(東京都中央区)の年金消失問題で、同社の浅川和彦社長らが証券取引等監視委員会の検査に「金融派生商品の運用による直近の損失が1000億円に上る」と説明していることが29日、分かった。08年のリーマン・ショック以降の世界的な金融危機に伴い、多額の損失が生じたとみられる。監視委は、虚偽の運営実績をうたって損失を隠し、顧客を勧誘した疑いもあるとみて、金融商品取引法違反などにあたらないか調べている。

【そもそも厚生年金基金の仕組みは】AIJ企業年金消失:中小同業者の基金集中 高利回りにつられ

 AIJに対する検査は1月23日に始まり、受託金約2000億円の大半が消失していることが判明。同社幹部は、残った資産について「200億円程度」と説明していたが、実際に残された現金資産は数十億円にすぎないことも新たに判明した。

 同社は顧客に対し、年5%超の運用実績があると報告していたが、資産の運用実態について同社の幹部は、監視委の検査に対し、直近の損失が1000億円に上ると説明したうえで、「数年前から虚偽の運用実績を報告していた」と証言したという。

 一方、運用実績の報告業務や、AIJが推奨する金融派生商品の販売、受託資産の海外への送金業務などを担っていた関連会社「アイティーエム証券」(東京都中央区)の幹部は、監視委の検査に「AIJの運用実績がうそだとは知らなかった」と話し、虚偽報告などへの関与を否定しているという。


【関連記事】
【ニュースの第一報】AIJ投資顧問:年金2千億円の大半消失…123社分運用
<AIJ年金消失>香港プライベートバンク送金後、資金不明
<AIJ年金消失>中小同業者の基金集中 高利回りにつられ
<AIJ年金消失>投資運用業者登録の取り消し検討…自見金融担当相
<AIJ年金消失>受託金で払い戻しか 破綻隠し自転車操業

最終更新:3月1日(木)10時15分

毎日新聞

 

主なニュースサイトで AIJ投資顧問 の記事を読む

ブログパーツ

国内トピックス

主要メディア6紙の過去記事2年分を瞬時に検索。
全国紙の社説を比較する毎日新聞の企画「社説ウオッチング」。産経新聞の「社説検証」とあわせてチェック(本文有料)。