戦記 〜リンドバーグ 第二次大戦日記(上)(下) 新潮社〜
リンドバーグ 第二次大戦日記(上)(下) 新潮社チャールズ・オーガスタス・リンドバーグ著、新庄哲夫訳THE WARTIME JOURNALS OF CHARLES A. LINDBERGH 無着陸大西洋横断を成し遂げたあのリンドバーグが第二次大戦の間に体験した事を書いた日記です。 ウィキペディアの戦争犯罪のページや、サイパン、ガダルカナルやニューギニアなどでの戦記にたびたび連合国軍の残虐行為を物語る記述が出てきますが、このリンドバーグの日記にもその戦争犯罪の残虐行為の記述が出てきます。 では、第二次大戦日記の一部をご紹介しましょう。 下巻Ｐ４９１ 戦時下の南太平洋にて 一九四四年 ６月 ガダルカナルのヘンダーソン飛行場からニューギニアのナジャーブ飛行場に移動。 ６月２６日 『最前線のさる技術科軍曹が、もう２年以上も太平洋地域で戦闘部隊と共にしながら、ついぞ実線に参加した経験が無く−帰国する前にせめて一人だけでも日本兵を殺したいと不平を漏らした。軍曹は敵の地域内に侵入する偵察する任務に誘われた。軍曹は撃つべき日本兵を見つけられなかったが、偵察隊は一人の日本兵を捕虜にした。今こそ日本兵を殺すチャンスだと、その捕虜は軍曹の前に引き立てられた。 「しかしおれはこいつを殺せないよ！やつは捕虜なんだ。無抵抗だ。」 「ちぇっ、戦争だぜ。野郎の殺し方を教えてやらあ」 偵察隊の一人が日本兵に煙草と火をあたえた。煙草をすい始めた途端に、日本兵の頭部に腕が巻きつき、喉元が「一方の耳元から片方の耳元まで切り裂かれた」のだった。』（下巻Ｐ５２２） 『＊＊＊＊＊では二千人ぐらい捕虜にした。しかし、本部に引き立てられたのはたった百か二百だった。残りの連中にはちょっとした出来事があった。もし戦友が飛行場に連れて行かれ、機関銃の掃射を受けたと聞いたら、投降を奨励することにはならんだろう。』（下巻Ｐ５２３） 『ある夜の午前二時ごろ、数人の日本兵がキャンプに入ってきた。（将校の間で日本兵が食料を盗みに来たのか、それとも投降に来たのかと言う点で議論が分かれた。）戦利品を見せてくれた件の将校が目を覚まし、そして日本兵を認めるや四五口径をつかみ、二人を撃ち殺してしまった。別の将校が三人目を射殺した。 ・・・ 自分が非難したいのは殺害の態度であり、死者の尊厳に対する表敬の完全なる欠如なのだ。戦利品は何時もの様に文字を書き付けた日本の国旗、軍票も混じった数枚の日本紙幣、印鑑、郵便貯金通帳、本文や宛名まで書き込んである数枚の葉書、他に幾つかの品物と数名の日本兵が写っている一枚の写真などであった。写真には”戦利品”を奪われた死体の兵士も写っていた。−十五歳から十七歳ぐらいの少年であった。（下巻Ｐ５２５）』 『自分がもっとも気にしているのは、わが将校の側にある殺戮の欲望ではない。それは戦争に特有のものである。問題は敵の尊敬に値する特質にさえ敬意を払う心を欠いていることだ−−勇気、艱難（かんなん）、死、信念に殉ずる覚悟、卓越した訓練と装備のとの前に次々と殲滅されていく部隊等に対して敬意を払う心が全く無い。我々には勇敢な行為であっても、彼らがそれを示すと狂信的な行為ということになる。われわれは声を限りに彼らの残虐行為をいちいち数えたてるが、その一方では自らの残虐行為を包み隠し、ただ単なる報復行為として大目に見ようとする。・・・・・（下巻Ｐ５３４）』▼第二次大戦日記より ウイローランといえば、デトロイト空港近くのローカル空港で、２００５年に私がＷＷ�兇旅匐�ショーを見に行った空港です。なるほど〜〜〜 日本人の兵士や民間人が見聞きしたことを書いた戦記物、たとえばサイパンでの田中大尉の「我ら降伏せず」などに連合国軍の残虐行為の記述はしばしば見られるのですが、連合国軍の米国、英国、オランダ、オーストラリアの側にはほとんどそのような記載はみあたりません。 日本側も占領地で多々そのような残虐行為はあったようですが、戦後となってしまってはみな貝のように口をつぐんでしまい語られないのが現実で、連合国側にとっても同様の様です。 また自分の側に都合の悪い事でなくても、誰にも語られずに亡くなられる方も多いようです。 先に紹介した米人ケネディ氏が著した特攻を受けたバンカーヒルの著作の中ででも、突入し死亡した特攻隊員小川清の遺品を持ち出した海兵も結局長らくダンボールにしまったままで、誰にも小川の事や、遺品を持っていることなど遺族の家族に話す事も亡くなくなってしまったようです。 さて、連合国、米軍は比較的捕虜を手厚く扱ったといろいろな書物に文章や、写真等がありますが、ガダルカナルの反攻が始まった１９４２年の末から激戦の続く１９４４年いっぱいまでは日本の軍民に対する残虐行為が多かった様です。 特に反攻が始まり熾烈な戦闘となったガダル戦では、捕虜をとらない、すなわち投降してきた日本兵は射殺する、また傷病兵は殺してしまうといった行為が平然と行われており、ガダルで傷病兵を戦車の前にならべてひき殺した写真がライフ誌に掲載された記録があるそうです。また、日本兵の火器や軍刀などを始め遺体の骸骨を本国に送ったり、ジープなどの装飾に使った記録も実際に多く残っています。 日本軍に攻め入られ押された当初の恨みや反感で連合国軍に敵愾心が強く、残虐行為が多かった様ですが、戦争も末期になり、連合国側の勝利が見えてきた１９４４年末から、米英ソで戦後処理を話し合ったヤルタ会談以降の１９４５年は、第二次大戦後の無差別爆撃などを禁じるなどの話し合いが持たれており、また戦争終結を目前に控え恐らく連合国側が戦争犯罪を指摘される事を恐れて残虐行為を控え始めたのだと思われます。 ただ、現在でもそうですが、軍隊に限らず人のいるところに犯罪はついて回るもので、１９４５年（昭和２０年）の硫黄島を描いた映画「硫黄島」でも投降日本兵を射殺する場面がありましたが、同じく１９４５年の沖縄戦でも少なからず残虐行為があったとの記録も見られます。 日本軍が漢口でおこなった無差別爆撃なども、民間人など非戦闘員への攻撃、殺戮を禁じた国際法に違反する戦争犯罪なのですが、これは同様の行為をした連合国米軍とても同じ事なのですが戦後の裁判とは形ばかりの連合国側が一方的にお膳立てした極東軍事裁判によって日本側だけが裁かれ、連合国側は全く裁かれなかったため連合国側の戦争犯罪は事実上不問とされ、歴史の暗闇に葬りさられてしまっています。 本来ドイツと連合国側との間でのニュルンベルク裁判の様に、敗戦国側からも裁判官を立て、公平に戦争処理をせねばなりませんが、極東軍事裁判はこの点明らかに法的に問題があったという指摘もあります。 極東国際軍事裁判 wiki 東京裁判に対する肯定論では「文明」の名のもとに「法と正義」によって裁判を行ったという意味で文明の裁きとも呼ばれる。一方否定論では、事後法の遡及的適用であったこと、裁く側はすべて戦勝国が任命した人物で戦勝国側の行為はすべて不問だったことから、"勝者の裁き"とも呼ばれる[2]。
ドイツの戦犯を裁いたニュルンベルク法廷が連合国の管轄下にあったのとは違い、本裁判はダグラス・マッカーサー司令官が布告する極東国際軍事裁判所条例に基づいて行われた[3]。 ニュルンベルク裁判 ｗｉｋｉ 免責された戦勝国の犯罪
ニュルンベルク裁判の大きな問題点はドイツ側の（戦勝国の憶測によるものも含む）「犯罪」を一方的に断罪したが、戦勝国側の「犯罪」は完全に免責するという基準を持っていたことである[2]。そもそも大戦の原因となったポーランドによるダンツィヒ領の占有問題、1939年9月3日のフランス、イギリスによるドイツへの一方的な宣戦布告は断罪されなかった。また、1939年9月ドイツが西からポーランドへ侵攻した一方で、同じ時期にソ連も東からポーランドに侵攻しており、さらに1939年11月のフィンランドとソ連の冬戦争では、ソ連は侵略の罪状で国際連盟から追放されているにもかかわらず、ニュルンベルク裁判では、ドイツが「平和に対する罪」で告発された一方で、ソ連の「平和に対する罪」は不問に付された。連合軍によるドイツへの無差別爆撃（ドレスデン爆撃などをはじめとして、日本本土への爆弾投下量の10倍にも当たる150万トンもの爆弾がドイツ本土に投下され、少なくとも30万人の非戦闘員が犠牲になった）や、ソ連軍の侵攻によってドイツのソ連占領地区で起きた、ソ連兵による強姦・暴行・殺人事件も裁判では不問とされた。 終戦前後のアメリカ軍によるドイツ人捕虜への虐待による大量死問題も闇に葬られた。ジェームズ・バクー (James Bacque) の『消えた百万人』では以下のような指摘がある。 戦争終結直前の1945年4月以降、野ざらし、不衛生な環境、病気、飢餓がもとで、膨大な数のあらゆる年齢層の男たちに加えて、女子供までが、ドイツのフランスの収容所で死んだ。その数は、確実に80万を超えたし、90万以上であったこともほぼ確実であり、100万を越えた可能性すら十分にある。捕虜の生命を維持する手段を持ちながら、あえて座視した軍によってこの惨事は引き起こされた。救恤団体の救援の手は米軍によって阻まれた。 他に連合軍、ソ連の戦争犯罪には、戦時国際法に違反したレジスタンス（パルチザン）活動の積極的な支援がある[3]。 冤罪や誇張 ニュルンベルク裁判では、ドイツ側の戦争犯罪が告発されたが、その中には現在冤罪であったことがはっきり分かっているものもある。例えばカティンの森事件は、今日ではロシア政府も当時のソ連が虐殺を実行したと認めている事件であるが、ニュルンベルク裁判当時は、ソ連検事は虐殺の責任をドイツに押し付けた。この事件はソ連が崩壊するまでドイツによる仕業と信じられていた。 ・・・ ＩＣＡＲＵＳ
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負けた側は惨めですね。
いくら正義だ公正だ、現代民主主義の勝利だと祭り上げても、その実情は、勝った方の都合により裁かれる、という事は、現代においても変わりありません。
戦時下の劣勢側の敵に対する憎しみはやはり相当に強烈で、震天征空隊の体当たり攻撃で撃墜されたＢ２９の搭乗員など、生きたまま生体実験の試験体にされたりしましたね（これは敗戦国ゆえ、戦後裁かれましたが）。
過去の残虐行為は今の、これからの人類に対する警鐘として、すべて明るみにすべきですね。
しかし、さすがヒーロー・リンドバーグですね。非常に良識を持って向き合っているようですね。彼は鹵獲した零戦も試乗したようですが、どんな感想を持ったか？興味ありますね！
2011/3/11(金) 午後 0:44
カッシーさん、ブログで無事帰宅できた事を知りました。ご無事で何よりです。週明けどうなるのかまだ分からないですね。首都圏はひとまず交通が回復して欲しいですね。
2011/3/12(土) 午前 8:17