◇W杯アジア3次予選 最終戦 ウズベキスタン1−0日本
サッカーの日本代表は29日、愛知・豊田スタジアムで行われたワールドカップ(W杯)ブラジル大会アジア3次予選C組最終戦でウズベキスタンと対戦し、0−1で敗れた。日本は既に6月からの最終予選進出を決めていたが、予選2連敗で同組2位に終わった。左足首負傷から復帰したばかりのMF香川真司(22)=ドルトムント=、FWハーフナー・マイク(24)=フィテッセ=ら欧州組8人が先発。日本は前半から何度も決定機をつかんだが決めきれず、後半9分に決勝点を奪われた。
豊田の寒風が痛みとなり、肌を突き刺した。ザッケローニ監督就任後、国内初黒星に初の連敗というおまけまで付いた。シュート計6本。そのうち、後半はわずか1本…。記録は勝利を運んでこないが、さすがにこれでは勝てるはずもない。
「ミドルシュートの質自体は持っているが、意識、意図が足りない。ラストパスの精度も足りなかったが、思い切ってシュートという選択があっても良かった」。柔和なイタリア人指揮官の顔からは、完全に笑みが消えうせていた。
1・5軍のウズベク相手に、ザック監督のもくろみはあえなく崩れた。本田不在の穴−。勝負手は、香川をトップ下で初めて先発起用することだったが、結果から導けば不発だった。
本田不在の場合は、柏木、中村、長谷部を配置し、香川自身の「トップ下希望」の直談判を何度も退けて、左サイドでの起用にこだわっていた。昨年1月のアジア杯後、ザック監督はユベントス時代に指導した元イタリア代表のFWデルピエロを引き合いに出し、こんな話をしていた。
「イタリア人の選手で香川のような特徴を持った選手がいる。それはデルピエロです。香川も、スタートポジションは左の方が能力を発揮できる。ゲームでの役割において、2人は非常に似ている」
スカウティングによれば、「裏よりもバイタル(エリア)が空く。バイタルで香川が前を向ければ好機になる」(ザック監督)という理由で、今回はあえて「禁」を解いた。それでも、昨年9月から本田の穴はぽっかり空いたまま…。本田不在という「問い」に対する「解答」を得られぬまま、3カ月後の最終予選を迎えることになってしまった。(松岡祐司)
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