勝手知ったるグラウンドでFW藤本淳吾(27)が見せ場を作った。前半27分、左サイドから岡崎のクロスに走り込み、得意の左足をダイレクトで合わせた。「最後のバウンドでボールがのびてきた。その分、コントロールできなかった」とシュートはディフェンスに当たって枠外へ。所属する名古屋グランパスのホーム・豊田スタジアムを埋めた大観衆が大いにわいた。
海外組で固めた攻撃陣に、藤本が唯一抜てきされた事実こそザッケローニ監督の信頼の現れ。清水時代のチームメート・岡崎と息のあったプレーを見せるなど、後半14分に退くまで何度かチャンスを作った。それでも、試合後の藤本の口から出たのは反省の弁ばかり。「フィジカルの弱さを感じた」「もっと攻撃のチャンスにからんでいかないと」と悔しがった。
24日のアイスランド戦では代表初ゴールを挙げており、これで代表定着を印象づけることはできた。次のターゲットは代表での定位置どり。「一つ一つのプレーの質を上げていきたい」と藤本。まずはグランパスを快進撃に導き、成長して代表へ戻る。 (木村尚公)
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