松山市発注工事「裏金」捻出疑惑で、市は27日、関与が指摘された元市職員が疑惑当時の2001年以降、数回にわたり元請け業者と会食を重ねていたと認定し、職員倫理規定に抵触すると判断したことを明らかにした。市公営企業局の事実確認に対し、元市職員が代理人弁護士を通じて認めた。
裏金疑惑をめぐる市の内部調査で昨年5月、元請けの県外大手機械メーカーが社内調査報告書を提出し、会食行為が判明。疑惑当時の公営企業局嘱託職員だった元市職員と業者の不適切な関係が浮かび上がっていた。
同局によると、元請け担当者との会食について元市職員は「あったと思う」「2~3回程度」と認めたが、特定業者の下請け選定を要望したとの調査報告書の記載に関しては「知らない会社で、絶対にない」と否定したという。
27日の市議会都市企業委員会で、渡辺滋夫公営企業管理者は「利害関係者と会食した事実が明らかになったことは重大な問題。市民の信頼に背く行為で、深くおわびする」と陳謝。22、23の両日に企業局職員約180人を対象に実施した無記名アンケートでは、他に倫理規定に抵触する事例は確認されなかったと述べた。