米グーグルが1日に導入する個人情報の収集や利用についての新指針に対し世界で懸念の声が広がっている。検索や電子メール、動画配信など約60のサービス別に管理していた個人情報を組み合わせ、利用者ニーズを詳細に把握。検索精度を高めたり、ターゲットを絞った広告に生かしたりする仕組み。だが、インターネット上の行動を丸ごと管理され、プライバシー侵害のリスクが高まりかねない。利便性と情報流出リスクという「もろ刃の剣」の現実を、利用者に突きつけている。
新しい指針では、主力の検索のほか、電子メール「Gメール」、動画配信「ユーチューブ」など、複数のサービスをまたいで利用者の個人情報を管理する。一人ひとりのネット利用の実態を詳しく知ることで、利用者ごとに最適な広告などを提供する狙いがある。
だが、導入を前に、各国で同社への注文や懸念が相次いだ。
政府は29日、法令を順守し、利用者へわかりやすい説明を求めるよう、グーグル日本法人(東京・港)へ文書で要請した。同社はこれに対し、「利用者の情報は従来から慎重に扱っている。今回新しい情報を集めるわけではなく、何ら問題ない」とコメントした。
米国では一部の議員がグーグルへ質問状を送付。フランス当局は、欧州データ保護指令に違反する可能性があるという見解を明らかにした。
グーグルが新指針の導入に踏み切る背景には、ネット企業間の激しい競争がある。
約8億5千万人の会員を獲得し、広告媒体としての価値を急速に高めてきたSNS(交流サイト)最大手、米フェイスブック。利用者が実名や趣味などの詳細な個人情報を登録している。多くの企業がこれらを参考に同サイト上でターゲット広告を始めた。利用者がサイトに滞在する時間も長く、このままではグーグルの収益源である広告がフェイスブックにどんどん流れかねない。
これまで蓄積してきた個人情報をフルに活用して競争力を高め、フェイスブックに対抗することが、グーグルの狙いでもある。
グーグルやフェイスブックは個人情報の管理徹底をうたい、情報共有の範囲を利用者が決められるようにするなど、情報保護の仕組み作りに力を注ぐ。それでも情報流出や第三者によって悪用されるリスクは消えない。
今回の新指針導入は利用者にも意識変革を迫る。ネットに流れた情報を守る完璧なセキュリティーの仕組みは作れないためだ。ある有力IT(情報技術)企業の幹部は「本当に大切な情報はネットでやり取りしない。記録媒体に入れて金庫にしまう」と明かす。
個人情報をフル活用したネットサービスは、従来にない利便性をもたらす可能性がある一方、企業に個人情報を丸ごと握られるような状態には不気味さもある。利用者はネットとの距離の取り方を改めて考える必要に迫られそうだ。
グーグル、フェイスブック、インターネット、ユーチューブ、電子メール
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