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2012年2月29日14時18分

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「友好壊す」つくる会系副教材の不使用、韓国議員ら要望

写真:育鵬社版の教材を使うことに抗議する金知哲議員(右から2人目)ら=県庁拡大育鵬社版の教材を使うことに抗議する金知哲議員(右から2人目)ら=県庁

 4月以降、熊本県立中学校3校の社会科(公民的分野)の副教材に「新しい歴史教科書をつくる会」系の育鵬社版が使われることをめぐり、熊本県と姉妹提携にある韓国・忠清南道の議員らが28日、県庁を訪れ、この教材を使用しないよう求める声明文を県議会議長と教育長あてに提出した。

 抗議したのは忠清南道の議員や市民団体の関係者、韓国のインターネット新聞「オーマイニュース」の記者ら4人。訪問団によると、応対した県教委側は「文部科学省が通した教材で問題はなく、(使用の)決定は変えない」と答えたという。

 県庁で会見した訪問団長の金知哲(キム・ジチョル)議員の説明では、育鵬社版の教材が使われることは日本の市民団体を通じて知り、忠清南道の議会は2月、全会一致で教材の使用撤回を求める決議をした。この問題はマスコミで取り上げられ、韓国全土で知られているという。

 金議員は「日本には韓国を植民地支配した歴史があり、日本の平和憲法は隣国にとっても大事だ。それを否定し、戦争を賛美するような教材は危険で、アジアの友好関係を壊す。強く撤回を要望する」と主張。訪問団メンバーは「姉妹関係になって来年30年を迎えるのにこうした問題が起き、失望した」と語った。

 またこの日、熊本市の市民団体「教科書ネットくまもと」は、教材使用をやめるよう求める住民監査請求起こす方針を表明。同団体では「教育長が県議会で多数を占める自民党など右派勢力の働きかけに配慮してこの教材を選んだのなら、教育への不当な支配だ」と訴えている。

 育鵬社版の副教材は玉名高校付属中、宇土中、八代中の3年生の授業で使用される。採用した理由について山本隆生教育長は「生徒たちに考えてもらいたい題材を多数取り上げている」と話していた。

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