■中国サッカーが目覚めるには「自立」が必要
――サッカー界ではこの20年くらい、いずれ中国が出てくる、と言われ続けてきた。しかし眠れる獅子は眠ったままできた。目覚めさせるポイントは何か?
「自立だと思う。うちの選手は95%がトレーニング施設内の寮暮らし。年俸が安いから3食付きの寮暮らしの方が便利だし、経済的なんだろうけれど、これだとリフレッシュできない。それで私が25歳以上の選手は寮から出せ、というと『外で暮らさせたら何をするかわからない』と猛反対される」
「寮にはコーチも住んでいる。せめて選手だけにしろ、と言っても見張ってないと何をするか分からない、の一点張り。管理するから自立できない、自立してないから管理する、の堂々巡りの議論になってしまう」
「サッカーは複雑系の競技だから、場面ごとに何をするかの判断は瞬時に自分で決めるしかない。それには自立心が絶対に必要。杭州の選手もちょっとこちらからサジェスチョンすると、みるみるプレーの質が改善される」
「でも、例えばGKに、CKの際の守りの配置はおまえが全員に指示してみろ、というと、途端に慌てふためいてしまう。昔の日本がまさにそうだった」
■サッカーのチームなら変えられる
「だから、私が今、練習でやっているのは、必ず選手が自分たちで考えないとできないものを中心に組んでいる。中国の社会を変えるのは難しいけれど、サッカーのチームなら変えられる。実際、日本でもそれをやってきたつもりだ。日本のサッカーがアジアの中でトップに立てたのも、選手が自立するようになってからだ。スーパーリーグのほかの外国人監督も目指すところは同じだと思う」
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