サッカーの岡田武史・前日本代表監督は、今季から中国スーパーリーグ(日本のJ1に相当)の杭州緑城を率いることになった。2月中旬からチームとともに鹿児島・指宿でキャンプを張っていた岡田監督に、就任に至る経緯や新天地での抱負を聞いたインタビュー。2日間連続で紹介する。(聞き手は運動部編集委員 武智幸徳)
■中国には日本サッカーへのリスペクトがある
――昨年12月に就任を発表。本格的に指導するようになってまだ日は浅いですが、中国の選手にどんな印象を持っていますか。
「中国に行く前はそれほど情報は持っていなかった。コンサドーレ札幌の監督をしていたとき(1999年~2001年)のコーチだった張外龍(元Jリーグ大宮監督)が、去年は青島中能の監督をしていたので尋ねたら、中国で監督をするのは大変だと。特に杭州は昨シーズン、選手が監督に逆らってサボタージュし、監督がいなくなった後は選手で作る選手委員会なるものが出場メンバーを決めて最後の5試合を戦ったと」
「それで、どんなところかと思ったが、来てみたらまったくそんなことはなかった。変な情報がない分だけ、選手は日本よりよほど純粋で、今は毎日が楽しいよ」
「私の仕事がしやすい裏側には、日本サッカーへのリスペクトが中国にはすごくあることが関係している。今、日本のサッカーは中国では『アジアのバルセロナ』という言われ方をしていて、僕が話すことを選手は必死で聞こうとするし、それを実際にやろうとする。これまで古くさい、だらだらとした指導を受けてきた選手たちにすれば、『これがサッカーの練習なんだ!』という新鮮さもあるみたいだ」
■自分が言えば何でも動く
「じゃあ、私が、おお、これが日本かと、うなるような練習をさせているかというと、今はまだ大したことはしていない。メニューの組み立てに失敗することだってある。ところがそういう場合も、向こうが『何か深い考えがあるのでは?』と勝手に深読みしてくれたりする。空港で出迎えてくれた人の中には、わざわざ日本語に訳した応援の手紙を持ってきたサポーターもいた」
「外国人選手の家をどこにするとか、彼らの銀行口座をどこに作るとか、そんなことまで私にいちいち伺いを立ててくる。自分が言えば何でも動く。裏返せば自分が言わないと何も動かない面もあるんだけれど……。そこまで受け入れられたらやりがいもあるし、勝たせたいと思うでしょ。責任だって感じる」
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