宮城のニュース
「巨大津波予見できず」 山元・自動車学校損害賠償訴訟
東日本大震災の津波で常磐山元自動車学校(宮城県山元町)の教習生が死亡したのは、学校側の過失と安全配慮義務違反のためだとして、当時18〜19歳の教習生25人の遺族が、学校側に計約19億円の損害賠償を求めた訴訟の第2回口頭弁論が28日、仙台地裁であった。学校側などは「巨大津波は予見できず、安全配慮義務違反はなかった」と請求棄却を求めた。 学校側などは「県の津波浸水予測図で、山元町の大半の地域は浸水が想定されず、津波の予見可能性はなかった」と主張。「地震後、教習所で待機するよう指導したことはなく、教習生は自由に離れられた。(学校に)避難誘導する義務を課すことはできない」と述べた。 学校長(津波により死亡)の責任については、「気象庁の当初の津波予報は宮城6メートル、福島3メートル。宮城で10メートル以上に変更した第2報は、停電で防災無線が機能せず、教習所に伝わらなかった」と強調。「山元の海岸線には高さ6メートル以上の防潮堤があり、学校長が津波が来ないと判断したのは合理的」と主張した。 訴えによると、学校側は昨年3月11日の地震発生後、教習を再開するため、教習生に敷地内で待機するよう指示。同日午後3時35分ごろから、送迎車数台に教習生を分乗させて帰宅させた。福島県相馬市や宮城県亘理町、角田市に向かっていた送迎車4台が津波にのまれ、教習生23人や教官らが死亡した。路上教習で内陸部にいたのに、教官の指示で教習所に戻り、徒歩で帰宅させられた教習生2人も犠牲になった。
2012年02月29日水曜日
|
|