東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 社会 > 速報ニュース一覧 > 記事

ここから本文

【社会】

500円で“店主” 製本コーナーも 老舗酒蔵跡に古本屋

2012年2月29日 11時13分

酒蔵跡で古本屋の開店準備をする入江さん=埼玉県深谷市で

写真

 埼玉県深谷市深谷町の老舗酒蔵跡「旧七ツ梅酒造」を利用しながら保存しようと、市民有志でつくる社団法人「まち遺(のこ)し深谷」が3月17日、蔵の1つで古本屋をオープンさせる。市民が一角を借りて“ミニ古本店主”になったり、自分でオリジナルの本を製本できるコーナーもあり「本を好きな人が楽しめる文化の場になれば」と期待している。 (宮本隆康)

 旧七ツ梅酒造は、江戸時代中期から二〇〇二年まで続いた。約千坪の敷地には、赤れんが造りの倉庫や木造の母屋など、趣のある建物が残る。一角には、市民運営の映画館「深谷シネマ」もある。

 元編集者の同法人役員の入江明さん(61)が古本屋を発案し、約六十平方メートルの蔵を活用。酒だるの丸いふたを読書用テーブルや本棚として使い、店は「円の庭」と名付けた。

 古本は市民から無償提供してもらい、収益は同法人の活動資金にする。「売るつもりはないが、読んでもらうのは構わない」という人からも提供してもらえるように、一部は閲覧用にする。

 「古本屋の店主の気分を味わってもらおう」と、本棚の一角の幅約五十センチ分を、一カ月五百円で希望者にレンタル。自分が所有する本に値段を付けて、売ることができる。契約者には、はたきをプレゼントする。

 針と糸で和紙を束ねる「和綴(わとじ)」の道具や、印刷機がそろい、訪れた人が製本することもできる。酒蔵に残っていた陶器や、古い映画のポスターなども販売する。

 同法人は本の提供を募っている。問い合わせは同法人=電048(573)8707=へ。

(東京新聞)

 

この記事を印刷する

PR情報





おすすめサイト

ads by adingo