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敦賀市長:細野原発事故担当相ら議員11人に「カニ」贈る

福井県敦賀市の河瀬一治市長
福井県敦賀市の河瀬一治市長

 高速増殖原型炉「もんじゅ」など原発3基を抱える福井県敦賀市の河瀬一治市長(60)=5期目=が昨年11~12月、地元特産の越前がにの詰め合わせ(1万円)を市長交際費で購入し、細野豪志・原発事故担当相ら与野党の国会議員11人に「お歳暮」として贈っていたことが分かった。河瀬市長は原発増設やもんじゅ存続の必要性を繰り返し訴えており、全国原子力発電所所在市町村協議会の会長も務めている。

 市長交際費支出明細などによると、河瀬市長は国会議員11人を含む18人への贈答用に、計18万円分の越前がにを購入した。越前がには、福井県で水揚げされる雄のズワイガニで、贈答に用いられる高級品。

 贈り先は、▽原子力の安全規制を担当する細野原発事故担当相▽当時、もんじゅを所管する文部科学相だった中川正春・防災担当相▽前原誠司・民主党政調会長▽谷垣禎一・自民党総裁--ら与野党の首脳ら。会議出席や陳情など公務で上京した際に議員会館などを訪れ、渡したという。

 市長交際費支出明細は過去5年分が公開されており、07年度以降ほぼ毎年、複数の国会議員や姉妹都市の水戸市長らに越前がにを贈っていた。

 衆議院事務局によると、贈答品の受け取りに関するルールは定めていないという。

 敦賀市には、トラブルで停止中のもんじゅのほか、日本原子力発電敦賀原発1、2号機があり、同原発3、4号機の増設計画もある。もんじゅは東京電力福島第1原発事故の発生を受け、国が廃炉も含めた見直しを検討中。敦賀1号機は、運転開始から間もなく42年を迎え、老朽化が懸念されている。【柳楽未来】

毎日新聞 2012年2月29日 12時15分(最終更新 2月29日 12時33分)

 

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