糖尿病:禁煙5年まで発症リスク高く

2012年2月29日 11時43分

 禁煙して5年程度までの人が糖尿病を発症する危険性は、喫煙経験のない人より高いことが、国立がん研究センターなどの研究班による全国約6万人の調査で判明した。米科学誌「プロスワン」に発表した。

 喫煙者が糖尿病になる危険性は、たばこを吸わない人に比べ、男性1.3倍、女性3倍に高まることが知られている。調査は、10都府県の40~69歳の男女を5年にわたって追跡、糖尿病の発症状況を調べた。

 その結果、禁煙した男性が糖尿病になる危険性は、たばこを吸わない男性の1.42倍になった。禁煙前に比べ体重の増加が少ない男性も、たばこを吸わない男性に比べ糖尿病の危険性が高まった。

 禁煙前に1日25本以上のたばこを吸っていた男性が糖尿病を発症する危険性は、たばこを吸わない男性の2.15倍と高く、喫煙本数が多いほど危険性は高かった。一方、禁煙5年後以降は、非喫煙者との差はほとんどなかった。

 禁煙後の女性が糖尿病になる危険性は、たばこを吸わない女性より2.84倍も高かったが、調査対象者が少なく、誤差が大きいとみている。

 調査を担当した国立保健医療科学院の大庭志野・特命上席主任研究官は「禁煙後も一定期間は糖尿病の危険性が高い状態が続く。体重が増えなくても、禁煙から少なくとも5年間は健診などで体調に配慮することが大切だ」と話す。【永山悦子】

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