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環境相“水俣 基準見直す考えない”

2月28日 12時55分

環境相“水俣 基準見直す考えない”
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水俣病の認定を巡る裁判で27日、福岡高等裁判所が「国の認定基準だけで認定するのは不十分だ」とする判断を示したことについて、細野環境大臣は「国の基準そのものが否定をされたとは考えていない」と述べ、今の段階で認定基準を見直す考えのないことを明らかにしました。

この裁判は、昭和49年に水俣病の認定を申請し、その後死亡した熊本県水俣市の女性を巡るもので、27日、福岡高等裁判所は「国の認定基準だけで、水俣病かどうかを認定するのは不十分だ」と指摘したうえで、女性の手足に感覚障害があったことなどに加え、生活状況なども検討して、「水俣病と認められる」と判断し、熊本県に患者としての認定を命じました。
これについて、細野環境大臣は、会見で「判決では『国の判断条件が水俣病かどうかの判断において、意義を有することは否定できない』という内容になっていて、基準そのものが否定されたとは考えていない」と述べ、今の段階で国の認定基準を見直す考えのないことを明らかにしました。
一方、細野大臣は国の基準では水俣病と認められない人たちの救済策の申請が7月末に締め切られることについて、徹底した広報活動を行う考えを強調しました。
27日の判決について、原告側は「国の認定基準を実質的に否定している」として、近く環境省に基準の見直しを検討するよう申し入れることにしています。
細野大臣の発言について、原告側の「溝口訴訟を支える会」の高倉史朗さんは「今回の判決は、現行の認定基準を変えて、適切に運用するよう求めているものだ。それを無視して認定基準そのものを見直すつもりはないということばで片付けてしまうのは、あまりにひどい」と話していました。