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【電力・節電】中電、新旧火力が「戦力」◆上越…試運転→フルに、武豊…引退から再登板中部電力が浜岡原発(静岡県御前崎市)を全面停止する前まで、「戦力」として計算していなかった新旧火力が、今冬の電力供給を支えている。7月の営業運転に向け、まだ試運転中の上越火力発電所1号系列1号機(新潟県上越市、出力59・5万キロワット)と、老朽化で2年前にいったん現役を退いた武豊火力発電所2号機(愛知県武豊町、同37・5万キロワット)だ。 上越、武豊の2基の合計出力は、浜岡の1基分(3号機は110万キロワット)に迫る。このうち液化天然ガス(LNG)を燃料とする上越1号機は、中電初の日本海側の発電所として、2007年3月に着工。昨年12月8日から試運転による発電を始め、今年1月11日にフル出力での運転に成功した。 「トラブルもなく、順調に運転できている」(火力部)として、同17日からは他の発電所並みの「戦力」として供給力に組み込んだ。2月9日までの11日間は24時間連続で運転をした。 石油を燃料とする武豊2号機は運転開始が1972年と古く、発電効率が低いため、09年10月から運転を休止していた。しかし浜岡原発の全面停止で供給力が不足したため、昨年7月末に補修を終え、戦列に復帰。昨年12月以降は厳しい寒さに見舞われた計9日間に「登板」し、昨年8〜9月の計6日間を上回るペースになっている。 中電は、火力による発電量が昨年12月以降、2カ月連続で過去最高を更新した。浜岡原発の停止で火力発電の比重が高まっているのに加え、原発停止で供給力が低下している関西電力や九州電力への応援融通を続けているためだ。 ただ、中電の試算によると、浜岡原発で発電する予定だった電力をLNGによる火力発電で代替した場合、11年度の二酸化炭素(CO2)排出量は10年度に比べて6・6%増の6600万トンと、90年度以降で最多となる見通しだ。 燃料費も10年度実績の1・5倍の1兆400億円程度に膨らみ、中電は11年度の純損益を1100億円の赤字と予想している。 (大森準) PR情報
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