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引きこもり青年を支援 県が応援プラン素案作成

2012年02月28日

 鳥取県が、引きこもりやニート、不登校など社会的不適応の状態にある青少年の自立に向けた取り組み方針をまとめた「とっとり若者自立応援プラン」の素案を作成した。現在パブリックコメントを募集中で、3月下旬の策定を目指す。県や市町村も引きこもりの状態にある人の数などを把握できていないが、関係機関で情報を共有して実態をつかみ、最終的には引きこもりの青年が自立し社会参加するまでの一連の支援を目標とする。

 同プランは2010年4月に施行された「子ども・若者育成支援推進法」により、青少年育成支援の都道府県計画策定が努力義務に位置付けられたことから、昨年6月から県青少年問題協議会の作業部会が策定作業に着手していた。プランの計画年度は、12〜14年度の3年間。

 県は昨年7月、県内の青少年に普段の生活や悩み、働くことへの考え方などを聞く「青少年育成意識調査」を実施。小学2、5年、中学2年、高校2年の児童・生徒とその保護者、青年(19〜29歳)の中から、約5200人を抽出してアンケートを送付。約3800人から回答を得た。

 この意識調査で、19〜29歳の2・6%が内閣府の「引きこもり」の定義である「病気などではなく、仕事や学校に行かずに半年以上自宅にこもっている」状態に当てはまり、この数字から県内では約1600人が引きこもり状態にあると推測されることが判明した。

 引きこもりになったきっかけは「不登校」「就職活動がうまくいかなかった」「職場になじめなかった」の3回答が多く、引きこもってからの期間は1年以上が9割を超え、7年以上の人も3割を占めた。一方、悩みについての設問に対し「就職や転職」(54・5%)や「仕事」(27・3%)といった回答が「悩みはない」(18・2%)を大きく上回り、社会参加への関心が高いことも浮き彫りとなった。

 県は同プランに、12年度から精神保健福祉センター、心と女性の相談室といった公的相談機関に、若者仕事ぷらざなども加えた「若者自立応援ネットワーク会議」を立ち上げ、関係機関で情報を共有する方針や、相談窓口の広報に力を入れることなどを盛り込んだ。

 しかし、精神保健福祉センター(鳥取市)などに相談があり、県が把握している引きこもり状態の県民の数は100人程度。相談に訪れない人たちにどう社会参加を促すか、難しい面もある。県青少年・家庭課の中川善博課長は「本人や家族が何を求めているか、まずは実態を把握しないといけない。関係機関と連携し、相談の質の向上を図りたい」と話している。



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