県警の男性巡査部長から繰り返し性的暴行をされるなどし精神的苦痛を受けたとして、県警の一般職員の女性が男性と県に慰謝料などの損害賠償を求めた訴訟=松山地裁で係争中=をめぐり、男性側は27日までに、女性が架空の話を創作して提訴したことで精神的苦痛を受け、訴訟記事を掲載した雑誌でプライバシーや名誉を侵害されたなどとして、女性と雑誌を発行する講談社(東京都)に計約1120万円の損害賠償と、同社に謝罪広告の掲載を求める訴えを地裁に起こした。現職警察官が同じ県警の現職職員を訴えるのは異例。
訴状によると、女性は2002年12月から約10カ月にわたり、官舎の自宅などで男性から繰り返し暴行を受けたなどとして、男性と県に計約880万円の損害賠償を求める訴えを09年1月、地裁に起こした。
これに対し男性側は訴状で、暴行行為は一切なく、恋人同士の関係だった▽女性は同訴訟の本人尋問で、暴行について具体性、迫真性のない供述をした▽暴行があったとされる期間に男性と男性の友人、女性の3人で食事をしている▽女性が家族や友人に暴行を相談せず、県警の男性元巡査部長らに相談した―などとし、女性の訴えは事実ではなく、法的根拠も欠いていると反論している。
講談社が雑誌で取り上げた提訴時の記事や写真は、男性の人物像をできる限り特定しようとする意図があったと主張。男性の社会的評価を著しく低下させ、プライバシーを侵害し名誉を毀損(きそん)したとしている。