2011年4月19日、経済産業省が発表した特定サービス産業動態統計調査によると、パチンコホールの平成23年2月の売上高は702億700万円で、前年同月比ではマイナス1.6%と19カ月連続で減少した。1994年には年間の市場規模は30兆円を超えたものの、その後は減少を続け、現在はピーク時の4分の3程度まで減少し20兆円規模といわれている。
特に最近のパチンコ業界の売上減少は、2007年までにギャンブル性の高い機種が禁止されたことが大きいとみられている。また改正貸金業法が昨年6月に完全施行され、消費者金融の融資額上限が年収の3分の1までに規制されたことも、影響を与えたとみられる。
一方、最近では東日本大震災によって実施された計画停電で「パチンコ店は電気を浪費している」といった意見も聞かれた。石原東京都知事は、韓国でパチンコが全廃されていることについても指摘し、厳しいコメントを寄せていた。
今回の石原都知事のコメントで、韓国のパチンコ事情を知った人も多いようだ。韓国でパチンコは「メダルチギ」と呼ばれ、日本のパチンコ台を再利用することが多く、2000年頃から急速に普及した。パチンコ玉の代わりにメダルを使用する点は異なるものの、メダルが入賞口に入ると液晶画面の抽選がスタートし、数字や絵柄がそろって大当たりする点は同じ。メダルチギで獲得できる賞品は商品券だが、韓国でもこの商品券を現金に換える事は違法であったため、日本同様に近くの換金所で現金に換えていた。
しかし、パチンコが原因で多額の借金をして自殺した人などが相次ぎ、社会問題化した。さらにパチンコ業界と政府の癒着により政治スキャンダルにも発展し、韓国のマスコミが大きく取り上げた。その結果、2006年にパチンコは韓国で全廃されたという。
日本でも毎年のように、パチンコのために親が子供を車中や家に放置して、死亡させる事件が発生するなど様々な問題が表面化している。これを機に、日本でも議論が活発になっていくかもしれない。
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