名古屋市の河村たかし市長は27日の定例記者会見で、旧日本軍による南京事件を否定した自身の発言について「(被害者が)30万人とされるような組織的な大虐殺はなかったのではないかという趣旨だった」と釈明した。発言を事実上修正し、南京市との関係悪化に歯止めをかける意図とみられるが、以前の発言については撤回しないとも述べた。
河村市長は「南京ではあたかも何もなかったと誤解された。南京市民にも誤解があったと理解してもらいたい」と強調した。事件の被害者数についての認識を問われると、「非常に多くの意見がある」と明言を避けた。
南京市が名古屋市との姉妹都市交流の停止を発表したことに対しては「(友好が)全然広まらないし、今のままじゃいかん。(事件について)率直な議論ができる日が来るよう願っている」と改めて南京市に意見交換の場を設けるよう求めた。【福島祥、三木幸治】
毎日新聞 2012年2月28日 東京朝刊