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2012年2月28日19時53分

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原発事故「原子力行政の欠陥」 グリーンピースが報告書

 環境NGO「グリーンピース」は28日、東京電力福島第一原発事故を分析した報告書を発表した。引き金は地震と津波だが、原因は「原子力行政と産業主導型規制の制度的欠陥という人災」と指摘した。

 オーストラリア国立大のテッサ・モーリス=スズキ教授(歴史学)らに委託してまとめた。報告書によると、1999年に茨城県東海村でJCO臨界事故が起きたが、規制は抜本的に変わらなかった。福島第一原発でも津波による全電源喪失や、10メートルを超える津波の可能性が指摘されても十分評価されなかった。「関係機関が意図的にリスクを過小評価し、安全より経済・政治的利益を優先したことに根本原因がある」とした。

 報告書では、放射線の影響を予測するSPEEDIのデータは生かされず、放射線量の高い原発の北西部に住民が避難し、被曝(ひばく)したことも問題視した。放射線安全アドバイザーのヤン・ヴァンダ・プッタさんは「国民を放射線から守るための情報を政府が出さなかった点でもこの事故は人災。政府は教訓を学ばずに原発を再稼働しようとしている」と非難した。

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