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【サッカー】

ザックが異例の宮市英才教育

2012年2月28日 紙面から

練習後、居残りでザッケローニ監督(左)から指導を受けるボルトンの宮市=豊田スタジアムで(畦地巧輝撮影)

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 サッカー日本代表は27日、W杯アジア3次予選ウズベキスタン戦(29日・豊田)に向け、愛知県内で直前合宿を開始した。注目は飛び級で初招集されたイングランドプレミアリーグ・ボルトンFW宮市亮(19)。高校卒業前に同アーセナルに入団した逆輸入ストライカーは、まさかの日本語ど忘れで先輩陣の爆笑を誘うなど、早くも日本代表に溶け込み始めた。

 GK西川、DF槙野、FW李という代表のお笑いにうるさい面々を前に、初招集の宮市が堂々とボケきった。練習前に4人で行ったリフティングゲーム。浮き球でパスを回しながら出し手が受け手にタッチ数を指定するルールだ。つまり、イチと言われればワンタッチ、ニと言われればツータッチで返す。誰にでも分かるルールのはずが…宮市は反応できずにボールを落としてしまった。罰ゲームのきつーいデコピンを受けた宮市は「日本語で言われると分からないから、英語で言ってください」とペコリ。欧州生活3年目の19歳は先輩陣に「イチ、ニ」ではなく、「ワン、ツー」を要求し、大爆笑を誘った。

 槙野ら欧州組とは期限付き移籍していたオランダ・フェイエノールトでプレーした昨年に何度か食事会に呼ばれるなど、初顔合わせではない。合流初日にして早くもなじみつつあり、「いい雰囲気でやらせてもらっているし、本当にこのチームで存在感を出していきたい」と目を輝かせた。

 ほとばしる若き才能に、ザッケローニ監督もかわいくて仕方がないようだ。練習後にMF乾とともに呼ぶと、ポジショニングやボールを受ける際の体の向きなどを入念に指導。24日のアイスランド戦前の合宿でも久保や柴崎ら若手に同じような指導をしたが、宮市には自らの実演も交え、約20分もの超ロング個人授業となった。「2人で勉強会みたいでしたね。想像していたよりも複雑で新鮮。しっかり吸収して生かしたい」と喜んだ。

 19歳でプレミアリーグデビューを果たした直後、W杯予選でA代表初招集。これ以上なく華々しい地元・愛知への凱旋(がいせん)だ。「地元で国を代表してプレーするのは光栄なこと。チャンスがあれば自分のプレーを地元のみなさんに楽しんでもらいたい」と試合を心待ちにした。

 25日の強豪チェルシー戦でプレミアリーグ初先発フル出場を果たしたばかり。試合直後に機上の人となり、疲労は残っている。それでも「みんな同じ状況だと思う。その中でしっかり力を出したい」と目を輝かせた。愛知から世界へ、そして日本代表へ−。異例の逆輸入ストライカーが、新たな歴史の第一歩を記す。 (宮崎厚志)

 

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