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【大リーグ】

イチロー “今季”初安打 ノーステップ打法は封印

2012年2月28日 紙面から

紅白戦で三塁打を放った川崎の肩を叩いて迎えるマリナーズのイチロー

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 マリナーズのイチロー外野手(38)が26日、当地での2度目の紅白戦でノーステップ打法を早くも封印した。右足を上げる従来に近いスタイルに戻し、2打席目で“今季初安打”となる右前適時打を放った。キャンプではスタンスを広く取るフォームを試していたが、前日の打撃練習から右足を少し浮かせていた。マイナー契約の川崎宗則内野手(30)も2試合連続の先発出場で“メジャー”初安打をマークした。

 メジャー12年目となる今季も試行錯誤をとことん重ねる。1回、最初の打席に立ったイチローはバットを構えると、昨季までのように右足を上げてタイミングを取り始めた。

 キャンプ地ではすり足でボールを呼び込む新たなフォームに取り組んできたが、24日の紅白戦初戦で2打数無安打に終わると方針転換。翌日の打撃練習から足幅を狭め、右足を10センチほど浮かせる従来に近い形に変更した。イチローはキャンプ初日に「ゲームではどうなるか分からない。練習の形とはどうしても変わるので。練習でできることは決まっている」と話していたが、その言葉通りになった。

 フォームを変えた効果はすぐに結果に表れた。この日も3番右翼で先発出場。1回は中飛に倒れたものの、3回1死一、三塁の第2打席は6球目のスライダーを奇麗に右前に運び、適時打につなげた。これまではチャンスをつくるリードオフマンを務めていたが、今季からはウェッジ監督の意向で走者をかえす役割を担う3番打者に請われた。実戦2試合目で、その役割を見事に果たしたことになる。

 チェンブリス打撃コーチは、イチローがノーステップ打法を取り入れた理由を「頭が動かないようにしたいからだと私に言った」と説明。フォームを修正したことについては「とてもいい状態に見える。タイミングの取り方もいい。とらえ方もいい。彼は目と手を連動させる優れた能力を持っている」とした。

 11年連続200安打をかけて臨んだ昨季もフォーム修正に取り組み、4月には月間打率3割2分8厘と幸先のいい滑り出しを切ったが、その後は失速。計184安打で連続記録が途切れるとともに年間打率2割7分2厘で初めて3割を割った。

 ただ、変化なくして成長はない。イチローの頭には常にその思いがある。200安打の再到達、新機軸の3番起用、さらには新フォームへの取り組み−。この日響いた快音とともに新たな挑戦は次のステップに進む。 (秋野未知)

 

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