March 16, 2006
「ご飯茶碗一杯の価値」−キャンデロロの発言
荒川選手へのコメントで謝罪=「ご飯一杯の価値」−仏テレビ局
【パリ15日時事】フランス公共テレビは15日までに、トリノ冬季五輪のフィギュアスケートの中継に際し、金メダルを獲得した荒川静香選手の演技に対して「侮辱的なコメントがあった」として平林博駐仏大使に対する謝罪文を郵送した。
在仏日本大使館によると、仏公共テレビ局フランステレビジョンは2月23日の女子フィギュアの自由演技を中継。この中で、フランスの元スケート選手フィリップ・キャンデロロ氏が、逆転勝利を収めた荒川選手の演技について「茶わんのご飯一杯に値する」と語った。
キャンデロロの「米」発言と文部科学相の「(スルが)コケてHAPPY」発言。
どっちがマシか−と問われたら、うーん、どうしましょう(苦笑)。
と僕、まず思いました。
その前に、この騒動の流れがわからなかった。
この短い記事を読むだけでもキャンデロロに悪意がなかったのはなんとなく理解出来きました。けれど、どうして「お米」を使わなきゃいけなかったのかがわかりませんでした。読後複数のブログにお邪魔し、在仏の方のエントリーを読ませてもらって、この一連の流れをようやく把握出来た、という感じ。
僕が思ったのは、「米の価値の差」なんじゃないかな、ということ。
微笑ましい発言では決してないし、強いて言うなら苦笑い。悪意はないにしても不注意でしたね、キャンデロロ。
在仏の方が言われるのは、
「パンの国だから、”米=貧しい国”というイメージがないわけじゃない」
とのこと。なんとなくわかるような。
もちろん、40〜50年も前とは全然違うし、今の日本を貧しい国と思う外国の人はまずいないとは思うけれど、モノが持つイメージ、そしてそのイメージが先行すること、残存することが、今回の騒動に繋がったんじゃないか、と思いました。
悪意はないんだから目くじらをたてるつもりはありません。
けれど同時に
「悪意がないから、尚更性質が悪い」
という気持ちもあります。親しい友達間の冗談というのなら許容範囲内としても、テレビに出てくる人間としては不勉強だよなぁ、と思いますね。来日回数も多いし、日本でのフィギュアブームを作った人でもあるし、実際今でもたくさん日本にファンを持つ彼だから、日本に対して好意がないとは思えません。11月のパリの試合(後のエキシビション)でもシズゥに
「何か日本語でファンの人たちにコメントを!」
と求め彼女、
「パリ大好きです。ありがとう」
って答えてましたっけ。その試合で優勝した真央ちゃんへは、頬っぺたにキスまでしてたような。これ、スケーター同士じゃなかったら犯罪じゃん(^^ゞ
彼だけじゃなく、僕らにしても無意識のうちに差別的な意味を含む言葉を使っていたりもするわけで、特に公共の場で発言する際には用心しなければ、と思いますね。いつかキャンデロロとシズゥがどこかで競演する際に、妙なしこりが残っていなければ良いけれど。
写真は2005年11月、エリック・ボンパール杯(パリ・フランス)
のエキシビションで司会を務めたフィリップ・キャンデロロ。
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「??お米?荒川さんの宣伝してるお米のCMのことか?」なんて思った位で・・・。
でも、こちらを読んで、フランスと日本で言うお米の捉え方に差があるんだってことが判りました。
なるほど〜。
でも、フランス人ってジョーク大好きだから・・・何だか生真面目な日本の偉い人が神経過敏になってるだけのような気もしないでもないんですけれど・・・どうなんでしょうね。
荒川さんご自身が気分を害したのでない限りはほっといても良いのでは・・・と言う気もしますが・・・そういうわけにはいかないのでしょうか・・・。
まあ、本人はちょっとユニークな日本的コメントのつもりだっただけではないのでしょうか。
このニュース、私もホント意味がわからなかったのよ。
ロロが金芽米のCMのこと知ってて言ったジョークのつもりなら、むしろ日本向けのウケをも視野に入れたのが評価できると思うしね。
昔の貧しい日本ではコメ(白米)は贅沢なものだった地方もあることだし、そんなに大事になっているのが私は意外だったけれど、
どうにでも色々捉え方がある中途半端な表現は、公人は気をつけないといけないのね(^^;なるほど
例えば、NHKのアナウンサーがブライアン・ジュベールがいい演技したあとに「今夜ホテルに帰って、ご褒美としてフランス・パン1本もらえるね」と同じこと。確かに日本人にとって「お米」は欠かせない食材。ただ、今回のキャンデロロの発言に本人がそれを理解していないにしか聞こえない。むしろ日本人の食生活をバカにしている。「日本人は米さえあれば満足」というヌアンスです。
フランスの公共機関から公式謝罪文がでるのは本当にめずらしいこと。キャンデロロのコメントが侮辱じゃなかったら、この謝罪はありえなかった。
キャンデロロは悪い人間じゃないという人も多いと思うけど、僕からしてみれば、相当頭が悪い。テレビに出る資格はない。
キャンデロロ懐かしい、、、。
この人昔からプライベートの発言でもお騒がせクンらしいですね。悪気はなくとも頭が良くないって聞きました。
他の方のコメントにもあるように、侮辱と取れる表現だったのでしょうね。
これが、寿司だったら良かったのかしら。
とにかく、意味不明なコメントはしないほうがいいとこうことですね。
BBCに出てたカタリナビットはシズゥべた褒めでしたよね。
▼ayakoさん
僕も日本で記事になったものを読んだときには「???」状態でしたよ。仏語から日本語に訳される際に全く違った意味になってしまったようだ、と後になって聞きました。「ご飯一杯の価値」とその価値のことが議論されている感じもしますが、お米にしろパンにしろ何にせよ。キャンデロロの発言はメダルを獲ったスポーツ選手へ向けるものではありませんでしたね。
▼メロさん
本人はジョークのつもりだったんでしょうが、ジョークにすらならず、逆に侮辱的な発言になってしまったわけですよねぇ(苦笑)
彼本人はシズゥがお米のCMをやってるってことまでは予習してないでしょう〜(笑)。予習するにしてもお米じゃなくて「これで好物のジェラートをいっぱい食べれるね」くらいなら可愛い気のあるジョークになってたかもしれない、とは思います。
荒川選手への発言と別に、某アジアの選手の演技の際に彼、「この後舞台裏でこの選手叩かれてるかもね。この国って・・・」というニュアンスの発言もあったようで、これにもフランスのファンは激怒していたみたい。
▼Sean
Thanks!
例えばSEANが何か世界的なイベントで表彰されたとして、「ご褒美にじゃがいも一個とギネス一パイントを貰えるね」と言われたら、侮辱というか、皮肉というか、少なくても僕は好意的に受け止めることは出来ないでしょうねぇ。先入観の問題もあるし、まず、スポーツ選手はペット(動物)じゃないんだから、「ご褒美に食べ物」っていう発想が単純すぎだし、幼稚だったと思うんですよ。
私はその放送を見てないので本当の所はなんともいえないんですが、普通に読んだら私は単純にジョークとしては面白いとは思います。相手のNelsonさんが"l'imperatrice de l'empire du soleil levant"って日いずる国の女王みたいなリリックな表現を連発してたようでその対照がおかしいというか、一方で女王と讃えてる所へ、日本と米食の連想で、フランスではしかし二次的な食べ物の米を出してきたのでその落差で笑っちゃうんですね。私にはあざ笑うような意地悪な感じはしませんよ。
ただまあ他にもジョーク連発だったみたいで、世界中にフランス語が分かる人は日本人も含めていっぱいいるしいろんな人が見てますし受けとられ方もいろいろですから、軽口は差し控えるべきだったかもしれませんね。