韓国の病院は保険外診療費と診療明細を政府に透明に報告するべきだと、経済協力開発機構(OECD)が問題を提起した。
OECDの保健部は26日に発表した「韓国医療の質の検討報告書」でこのように指摘した。これに先立って本紙は、勝手に策定されている保険外診療費が健康保険の保障性を低下させる主要原因と指摘した経緯がある。
今度の報告書はOECDが加盟10ヵ国を対象に医療システムの質と成果を徹底分析して政策代案を提言するためにまとめられた。OECDが韓国の保健医療体系について広範にわたって踏み込んだ分析を行ったのは初めて。
OECDは、医師が多くの診療を行うほど診療費を多く請求できる「行為別酬価制」の問題点を指摘した。過剰医療を誘発しかねないという分析からだ。09年、韓国の入院患者1人当り年間病院利用日数は16.7日で、OECD平均(8.8倍)の倍に近かった。国民1人当りの医者診察件数も13日でOECD平均(6.5日)の2倍だった。
OECDは代案として「包括酬価制を最大限拡大しなければならない」と提言した。さらに「適切な入退院の基準を設けるなど、医療サービスの量と強度をモニタリングしなければならない」と勧告した。合わせて、医療サービスの質や効用性などを勘案して病院別に保障に差を置くべきだと提案。現在、国内で包括酬価制は白内障、痔疾など7つの疾病に限って実施されている。
これと共に国内病院の保険外診療の問題を指摘した。OECDの勧告案は、国内医療法より一層強力な内容を盛り込んでいる。OECDはまず、「政府が保険外診療を体系的に管理しなければならない」と主張した。
現在、国内の病院には医療法に基づいて保険外診療費の公開が義務付けられている。しかし、OECDはさらに一歩進んで、「保険外診療が実際どれほど健康を向上させているかが把握されておらず、診療費がどのように使われたかも公開されていない」と問題を提起した。また、「多くの医療機関が規制無しに保険外項目のサービスを提供して収益をあげている」とし、病院の財政公開の義務化を注文した。
健康保険審査評価院のキム・ソンミンOECDプロジェクト支援団長は、「医療費はその価値ほどきちんと使われるかが重要だが、どのように使われるかも知らず費用だけが高くなっているため、これを把握しなければならないということ」と説明した。さらに、「磁気共鳴画像(MRI)の撮影費用がいくらなのかも重要だが、どのような患者に何回撮ったかを把握しないと、保険外が管理されているとは言えない」とし、「単に診療費だけでなく、診療明細とお金の使い先まで公開すべきという意味だ」と付け加えた。
同報告書は、町内医院中心の1次医療サービスが不足している点も指摘した。1次医療機関できちんとした管理ができれば入院を減らすことができる喘息や糖尿のような疾病の患者の入院率が高いという。
例えば、09年、喘息による人口10万人当り入院件数は韓国が101.5件で、OECD平均(51.8件)の2倍ぐらいだった。OECDは、「韓国の大手病院の質は目を張るほど向上したが、1次医療の成果は低調だ」とし、「地域社会中心の保健サービスを通じて1次医療を強化し、診療の持続性の維持に努めるべきだ」と勧告した。
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