また警察の捜査で、関連技術を持たないキム容疑者が随意契約を取り、製造原価を水増しして不良品を納品できたのは、現役の韓国軍幹部らと共謀していたためという事実も発覚した。
警察は、レバノンの東明部隊で使用している周波数かく乱装置の周波数遮断帯域など、軍事機密をキム容疑者に漏らした韓国陸軍少領(少佐に相当)のクォン容疑者(35)ら2人と、キム容疑者が納品した装備が不良品だと知りながら、性能テストで判明した問題を黙認した、防衛事業庁の課長で中領(中佐に相当)のホ容疑者(43)ら4人を逮捕し、国防部(省に相当)調査本部に身柄を引き渡したと発表した。
クォン容疑者は、10年1月にレバノンに派遣された東明部隊で、周波数かく乱装置の運用責任者として勤務した経験を持つ。クォン容疑者は、キム容疑者と親しかったチョン上士(37)と共謀し、アフガニスタンと環境が似ているレバノンの東明部隊で運用していた周波数かく乱装置の周波数遮断帯域をはじめ、装備の諸元などの軍事機密を、部隊内のインターネットを通じてキム容疑者の個人メールアドレスに送った疑いが持たれている。
また、防衛事業庁の課長だったホ容疑者は10年5月、この装備品の性能テストで、試験開始からわずか2時間で高温のため異常が発生したにもかかわらず、これを黙認して試験の条件を有利に変更し、キム容疑者が不良装備品を納品できるよう協力した疑いが持たれている。
警察は、キム容疑者が納品の過程で、防衛事業庁などに数回にわたり裏工作を行っていた証拠を確保し、捜査を拡大する一方、キム容疑者が納品したほかの25種類の軍需装備品についても、国防部と協力して不良品かどうかを調べる方針だ。