韓国軍:元特殊部隊員の業者が不良装備品を納入

中国製の「周波数かく乱装置」で製造原価の4倍もの暴利

共謀した現役韓国軍幹部も摘発

 アフガニスタン派兵部隊に納品すべき対テロ先端装備を、安価な中国製の部品にすり替えて製造・納品した軍納業者が、警察に摘発された。この業者は特殊部隊出身で、納品した不良装備は、テロリストが携帯電話などを使って離れた場所から遠隔操作で爆弾を爆破しようとする際、無線の周波数をかく乱して正常に作動しないようにする「周波数かく乱装置」だ。この装置がきちんと作動しなければ、テロリストの制圧や爆弾の撤去が困難になる。正常な周波数かく乱装置は、半径200メートル以内で20-2500メガヘルツ帯域のあらゆる周波数を遮断し、12時間以上運用できなければならない。だが、この業者が納品した製品は、短距離車両用リモコンの周波数すら遮断できない上、わずか2時間で高温のため作動不能になる不良品だったことが、警察の捜査により明らかになった。

 警察庁知能犯罪捜査隊は26日、アフガニスタンに派兵された韓国軍将兵が使用する「周波数かく乱装置」5台を、安価な中国製の部品にすり替えて製造・納品し、韓国政府から10億3500万ウォン(現在のレートで約7385万円、以下同じ)をだまし取った疑いで、納品業者代表のキム容疑者(33)の身柄を拘束したと発表した。

 警察によると、キム容疑者は特殊部隊で7年間、爆発物処理を担当した予備役上士(曹長に相当)で、現役時代に培った人脈を活用し、2010年3月に随意契約で装備の納品契約を取り交わした。

 キム容疑者は、安い中国製の部品を米国製の部品とすり換え、実際の製造原価は約5000万ウォン(約357万円)に過ぎない装備品を2億ウォン(約1427万円)に水増しするなどの手口で、5台を納品し、4倍もの暴利を得ていた疑いが持たれている。警察関係者は「この不良装備品は韓国政府に納品されたが、幸いにもアフガニスタン派兵部隊に供給される前に摘発されたため、韓国軍の被害を事前に防ぐことができた」と語った。

アン・ジュンホ記者
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