これまでずっと”Live”という名前をMicrosoftは同社の接続サービス(メール、メッセンジャー、写真など)に使ってきたが、それがWindows 8からはなくなる。Microsoftは目下、ブランドの大掃除中なのだ。Zuneはとっくに日陰者だったが、ついにWindows 8でとどめを刺される。
同社の主軸サービスはネイティブのMetroルック&フィールに統一され、よりシンプルな名前でその傘の下に入る。Windows Live MailではなくMail、Windows Live Photo GalleryではなくPhoto、などなど。この前デモで見たように、すべてのアプリケーションが緊密に統合化され、元々複数のサービスを横断する機能だったLiveの機能は内部的に保持される。その、全アプリがひとつに包まれた状態のことを、今度からは”Microsoft Account”という単一全称で呼ぶ。
でも。Liveを取れないものもある。たとえばXbox Liveとその関連部位からはLiveは取りたくても取れない。それどころかXbox Liveは、Windowsのエンタテイメント製品…音楽、ゲーム、ビデオコンテンツ…を代表する主軸ブランドになるかもしれない。Microsoftがこの2年間、絨毯の下に掃き入れて隠そうとしてきたZuneは、この‘Live’に置き換えられる。しかしZuneのファンは絶望しなくてもよい。Zuneのパス機能はそのまま生き残るし、古いデスクトップのプレーヤーやZuneのハードウェアは、何らかの形でサポートが続くだろう。それどころかZuneは、Microsoftが消そうとしても消えない歴然たる成果を遺している。そもそもWindows Phone 7やWindows 8のルック&フィールは、Zuneが元祖なのだ。
WriterやGames for Windows Liveのような小型のサービスは、ほかの既存の製品に練り込まれてしまうだろう。これだけ抜本的で大規模なブランドのリストラを目の前にすると、Microsoftがこれまでいかに、多様で多彩なプラットホームやソフトウェアをサポートしてきたかが分かる。ブランドの整理統一でいちばんほっとするのは、ほかならぬMicrosoft自身だが、ただしこの大リストラの過程そのものが、たいへんな重労働のはず。
今回、挙名がなくてかえって目立つのがMessengerだ。Skypeとの、統合過程にあるのかもしれない。Skypeにマルチサービスのメッセンジャー/ビデオチャットを組み込む線は、ありだな。パワーユーザにとってはSkypeは依然として、それ単体としてのサービスだろうけど。
ただし、何かが抜本的に変わると怒るユーザが必ずいるから、Microsoftのような巨大なユーザベースを抱える企業がそういうユーザ層をどうやってなだめる気か、それはまだ不明だ。同社の、後腐れのない、きれいさっぱりの新しい船出は、古いWindows XP/7国の岸壁に多くの人を置き去りにする。Windows 8の立ち上げ大地震が収まって、そこが安全な新植民地だと納得するまで、彼らはそこにとどまるだろう。
(Microsoftの発表が遅かったので、この記事も遅く(米国時間2/24午後5時)なってしまった。)
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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))