友人たちと路上強盗を繰り返したとして、強盗致傷や強盗の罪に問われた福岡県宗像市の無職少年(19)の裁判員裁判で福岡地裁は9日、事件を福岡家裁に移送する決定をした。最高検によると、少年事件の裁判員裁判で家裁移送決定は2例目という。検察側は懲役5年以上8年以下の不定期刑を求刑していた。
野島秀夫裁判長は判決理由で、少年が公判で自分に不利益なことなども隠さずに述べたり事件の責任が自分にあることを認めた点について「内省を深める兆しを見せた」と評価した。
決定によると、少年は他の少年らと共謀し昨年2~4月、福岡市や北九州市などで深夜から未明にかけて駐車場や路上で20~30代の男性5人に殴るけるの暴行を加え、現金計約10万円を奪うなどし、うち2人には鼻骨骨折などのけがをさせた。
閉廷後、裁判員を務めた50代の男性は「法廷での少年の表情を見ていると十分更生できるのではないかと感じた」と述べた。
この少年と共謀した少年2人は同地裁の裁判員裁判で懲役4年以上7年以下の不定期刑が確定している。【岸達也】
毎日新聞 2012年2月10日 西部朝刊