どうしても人生を突破したい人だけに送る10の法則 書評 「フォーカル・ポイント」 by ブライアン・トレーシー
自分の人生を思うようにコントロールできたら。
そう思う人は多いだろう。
でも、そう思う一方で、なかなか思うように頑張れない人もいる。
頑張っているけど、うまく自分が行きたい方向に進めない人もいる。
向かっている方向は合っているのか、進み方は遅すぎないか。
このやり方でいいのか、どうしたらもっとうまくいくのか。
頑張っている人も、頑張りたいのに流されてしまう人も、願いは一緒だよね。
一度きりの人生だから、最高な生き方をしたい。
忙しすぎてゆっくり自分のことを考えられない人も、どうしていいか分からない人も。
この本に書いてある10の法則を試してみて欲しい。
この本は僕が去年読んだ120冊のなかで1位をつけた本だ。去年すごく感動したので、もう1回読んでみた。
やっぱりすごく良かった。「フォーカル・ポイント」という本だ。本田直之さんが監訳している。
フォーカル・ポイント
ブライアン・トレーシー ディスカヴァー・トゥエンティワン 2009-10-03
|
法則1 潜在能力を解き放て
第1の法則で、著者はいきなり「半分の労働時間で収入を2倍にしろ!」と言っている。
「そんなことできるわけない」と本を投げ出してしまうのは簡単だ。
でもちょっと待って欲しい。そうする前に、この問いかけと法則1を見比べてほしい。
そう、「どうせ無理」と決めてしまっては、潜在能力は発揮できない。
「どうやったらそんなことができるんだろう?」と必死で考えると、アイデアが湧いてくるものだ。
だから、まずは一緒に進んでみよう。
労働時間を半分にして成果を倍にするために最初にするべきことは、「上位20%の仕事に集中する」ことだ。
僕自身も経験があるから良く分かる。
たとえば営業仕事では、大口で自分のことを気に入ってくれて、いつも仕事をたくさんくれる上位20%のお客さんが、実は売上の80%をもたらしてくれている。
そして、ほんのちょっとのオーダーしかくれないくせに、いつもクレームばかりのお客さん。
可能性がほとんどないのに延々と続けている新規開拓。
自分の仕事の80%は残り20%の貢献しかしていないものだ。
だから、その80%の利益を自分に与えてくれる仕事に向けて自分の100%をつぎ込めるように努力する。
もともと80%を占領している成果の低い仕事はどうするか。
他の人に任せるとか、仕事自体をやめてしまうとか、外部委託にするとか、方法を考えて、自分ではやらないことにしよう。
そして、著者は、僕らの一日の95%は、「日々の習慣」から成り立っている、と言っている。
だからこそ、習慣を変えることが大切なんだ。
「習慣はすべて後天的である」
著者はこう言っている。つまり、習慣は僕ら自身の力で良くも悪くも変えられるということだ。
頑張って良い習慣を身につけ、労働時間を1/2にしよう。
法則2 生産性を倍増せよ
労働時間を半分にしたら、次は生産性を爆発的に上げなくちゃならない。
そのためには、ただむやみに突っ走ってもダメだ。また元の木阿弥で大事じゃない仕事が増えてしまう。
生産性を上げるためには、「ABCDEメソッド」と「重要度 X 緊急度」で優先順位を決めるといい。
ABCDEメソッドは、自分が今抱えている仕事をAからEまでのランクで優先度をつけるやり方。
こんな感じになる。
A 「重要な仕事」
B 「やるべき仕事」
C 「やっておくといい仕事」
D 「他の人に代行してもらえる仕事」
E 「いますぐにでもやめるべき仕事」
そして「重要度 X 緊急度」は、「7つの習慣」でお馴染のメソッドだ。仕事を4つに分類する。
1 「緊急かつ重要な仕事」を最優先する
2 「重要だが緊急ではない仕事」は長期的に大きな成果をもたらす
3 「緊急だが重要ではない仕事」に時間を費やさない
4 「重要でも緊急でもない仕事」はやめる
これらの優先順位づけを使って自分の仕事に集中しよう。仕事中は同僚と雑談したりネットをうろうろして時間を浪費したりせず、自分のやるべきことをどんどんこなす。
これが大切。
法則3 すべてをシンプルにせよ
「手順が増えるほど仕事は複雑になる」。
著者はそう書いている。
すごくシンプルな例として、この本では「電話」をかけようとしている。こんな具合だ。
「あなたが自分で電話をかける」
これは一番シンプルで、あっという間に実行できる。
ところが、「電話をかけて欲しいと頼む」となると、すごく複雑になる。
電話の向こうの相手に伝えて欲しい内容を説明し、理解してもらわないといけない。
かかる時間も増えるし、ミスが起こる可能性も増える。
これがさらに、「この場にいない第三者に電話をかけてもらう」になったらどうだろう。
伝えたい内容を全部タイプしてデータにして相手に渡さないといけない。
電話をする人が内容を正しく理解したかどうかも確認しないといけない。
複雑度はさらに上がり、ミスが起きる確率もどんどん上がってしまう。
だから、仕事もプライベートも極力シンプルにしよう。
この本では、「生活をシンプルにする6つの方法」で、僕らに手を貸してくれる。
法則4 思考を変革せよ
エイブラハム・リンカーンはこう言った。
「誰かが成功をおさめたということは、他の人にも同じことができるという証明である」
そう、成功は真似できるのだ。うまく結果を出した人と同じことをしていけば、正しく成果がでる。
結局人間は、自分がなろうと思った人間にしかならない。
自分が生きようと思った人生しか生きないのだ。
だからこそ楽観的になろう。
すべての原因は僕らの思考にあるのだ。だったら悲観的に考えること自体がナンセンスということになる。
じゃあ、どうやったら楽観的になれるのか。
この本では「7つの楽観的思考法」を詳しく書いているので是非読んでみて欲しい。
- 未来について考える
- ゴールについて考える
- 優れた存在になることを目指す
- 結果に集中する
- 問題解決に集中する
- 生涯学び続ける
- 今すぐ行動する
今から5年後に完璧な暮らしをしているとしたら、それはどんな暮らしか考えてみよう。
ぼんやりと考えるだけじゃなくて、紙やEvernoteに書き出していこう。
自分の目標、ゴールを決めて、期限を設定しよう。
そしてやるべきことをリストにしよう。
自分にとって一番大事な仕事とは何か、結果が一番求められることは何かを考えよう。
いつも前を向きやるべきことを考えていれば、勝手に楽観的になっている。
チャレンジをし続けよう!
法則5 戦略的に人生を設計せよ
人生がうまくいっていないと感じたら、一旦立ち止まり、人生の戦略について考えよう。
その時に役立つのが、「戦略的人生設計のための7つの質問」だ。この本にはそれぞれの項目に詳しい説明がある。
質問1. あなたの仕事は、どんな仕事だろうか?
質問2. 今の状況が変わらなければ、将来あなたはどんな仕事をしているだろうか?
質問3. あなたの顧客は誰だろうか?
質問4. あなたが人よりうまくできる仕事は何だろうか?
質問5. 成果の80%をもたらす上位20%の行動はなんだろうか?
質問6. 何がゴール達成の制約となっているのだろうか?
質問7. すぐに実行できる具体的行動とは何だろうか?
そして、自分の「フォーカルポイント」つまり集中すべきポイントが判らないなら、この7つのステップで自分に問いかけてみよう。
STEP1 価値観を明らかにする
STEP2 ビジョンを明らかにする
STEP3 ゴールを決める
STEP4 必要な知識やスキルを明らかにする
STEP5 身につけるべき習慣を明らかにする
STEP6 毎日の日課を決める
STEP7 具体的行動を決める
僕らの人生を決めているのは僕ら自身だ。
だからこそ、うまくいっていない時には、自分に向けて質問を投げ掛けよう。
習慣になってしまっていく「やめるべきこと」を見つけるのも.、僕ら自分自身でしかできないことなんだ。
法則6 主体的にキャリアを築け
変化が激しい時代だからこそ、自分を見失わず、自分からキャリアを構築していかないといけない。
しかも、キャリアといっても、一つの会社の中での出世をイメージしてはダメだ。
「自分自身を独立したフリー・エージェントだと見なすことに、仕事で成功する鍵が隠されている」
著者はそう言っている。
キャリア構築に関しては、以下のポイントがある。
- 仕事とキャリアの価値観を決めよ
- 仕事とキャリアのビジョンを明確にせよ
- 仕事とキャリアのゴールを定めよ
- 仕事と知識とスキルを高めよ
- 有益な行動を習慣化せよ
- 具体的行動スケジュールを決めよ
- 仕事とキャリアの行動コミットメントを決めよ
どの会社で働くか、ということは重要でなくなりつつある。
どんな仕事をするのか。どのように自分を磨けるのか。
これらを主体的に考えることで、自分の道が開けてくる。
法則7 プライベートを充実させろ
仕事に関して多くのページを割いているが、この本ではプライベートの充実も重要だと言っている。
休日にただごろごろテレビを眺めるような生活はつまらない。
やはりビジョンを持つことから始めよう。
5年後のプライベート・ライフが完璧だったとしたら、どんな生活だろうか?
- どんな家に住んでいるだろうか?間取りは?場所は?
- パートナーや家族とどのくらいの時間を一緒に過ごしているだろうか?
- どんな友人と時間を共有しているだろうか?
- どんな車に乗っているだろうか?
- 長期休暇ではどこに旅行に行くだろうか?
- 一週間のうち、家族や友人と過ごす時間はどれくらいだろうか?
そして、プライベートにおける行動コミットメントを決めよう。
人生には二種類の時間、仕事の時間とプライベートの時間があることを、肝に銘じよう。
法則8 経済的に自立せよ
日本人は昔から、お金のことを考えるのは下品だ、というような考え方がある。
でも、これからはそれではダメだ。
会社が定年までしっかり自分をサポートしてくれた時代は終わったんだから、自分で自分の面倒を見ないといけない。
だから、しっかりとお金についても戦略を立てよう。
- 今年はいくら稼ぎたいだろう?
- 来年はいくら稼ぎたいだろう?
- 今から5年後には、いくら稼いでいたいだろう?
- その希望金額を稼ぐための計画はあるだろうか?
- 退職したとき、どのくらいの資産を持っていたいだろう?
- 毎年どのくらい貯蓄や投資が必要だろう?
- その金額を手にするための計画があるだろうか?
そして大切なのが、お金が貯まる「習慣」を身につけることだ。
お金が貯まる人は間違いなく、日々お金がどんどん貯まる習慣を身に付けているものだし、お金が全然貯まらない人は、お金が貯まらない習慣を身に付けている。
お金が貯まる習慣は以下のとおり。
- 買い物する前によく検討する
- 稼ぎたい金額と貯蓄したい額の明確なゴールを決める
- 毎月の支出を減らし、その分を貯蓄する方法を探す
- あなた自身の価値と能力を高めるため、あらゆる可能性を利用する
そして、お金に関しても、自分の行動コミットメントを決めて、日々実行しよう。
「衝動買いはせず、3日待ってもう一度判断します」など、すぐ行動に移せるものが大切だ。
法則9 健康な体を作り維持せよ
どんなに素晴らしいビジョンを持っていても、体を壊していては何もできない。
もちろん予期せぬ病気やケガを負うことはあるが、生活習慣病など、自分で防ぐことができる病気はなんとしても防ぎ、元気で長生きしたいものだ。
日々の健康維持のためにできることはすごくシンプルだ。
健康にいいことを殖やす
健康によくないことを減らす
健康にいいことを新たに始める
健康によくないことを完全にやめる
これだけなのだが、これでは指標としては曖昧だ。だからこそ具体的なビジョンとゴールを持とう。
体重は何キロ?
睡眠時間は何時間?
ウェストのサイズは何センチ?
週に何回運動する?
週に何時間運動する?
どのくらい食べる?
食事の栄養バランスは?
一日あたり、一週間あたりに飲むアルコール量は?
夜は何時に就寝する?朝は何時に起床する?
自分の健康度は、十段階でどのくらいの評価?
肉体の健康を維持するのも、まさに日々の正しい習慣が原則だ。
今まで不健康な生活をしていた人が、ある日一日だけ健康的な生活をしても、体は急には変われない。
日々の生活に組み込むコミットメントを作成して守るようにしよう。
法則10 なりえる最高の人物になれ
この本ではゲーテの言葉を引用している。
「もっと何かを手に入れたければ、まずはもっと自分を磨かなければならない」
なりたい自分になるためには、正しい方向に向かって自分を磨くのだ。
しかも重要だと思うところに集中して。
著者は、「日々成長するための7つの規律」を設定している。
規律1. 毎朝ゴールを紙に書く
規律2. 毎日、計画を立てる
規律3. 毎日、優先順位を決める
規律4. 毎日、いちばん価値を生む行動に集中する
規律5. 毎日、運動し適切な栄養をとる
規律6. 毎日、学習し成長する
規律7. 毎日、自分の人生で大切な人のために時間を割く
そして日々、前の日よりも、0.1%だけ成長しよう。
一日0.1%を複利で成長させると、一週間で0.5%だが、一年で26%となり、10年では1004%となる。
著者はこれを「1000%成長の法則」と呼んでいる。
信じるかどうかはあなた次第。でも人生は一度きりだ。
あとになってから「あの時やっておけば良かった」と思っても遅いかもしれない。
まとめ
本書では、最後に集大成として、「21世紀を生きるための七つの知恵」を授けてくれる。
それは以下の7つ
1. 人生をよりよくする唯一の方法は、成長することである
2. 大切なのは、これからどんな人間になるかである
3. 価値ある行動は習慣化するまで、繰り返し挑戦する
4. 人生の選択肢は多いほど良い
5. あらゆる困難から、役立つ知恵を学ぶことができる
6. 必要なことは、必ず学ぶことができる
7. 心の中で決めた限界が、唯一のあなたの限界である
この本のタイトル「フォーカル・ポイント」は、日本語で言うと「焦点」という意味だ。
やるべきこと、やりたいこと、最高に成果が出ることに「焦点」を絞れ。
「もっとも大切なポイントを見極める能力」、これこそが「フォーカル・ポイント」だ。
この本はそう語りかけている。
長い本ではない。238ページの、ごく標準的な厚さのビジネス書だ。
でも、この本に詰まっているエッセンスの質と量はハンパじゃない。
是非じっくり読んで欲しい。そして一つ一つの項目を理解して納得して、そして実践して欲しい。
僕自身、この本を読むのは2回目だけど、前回とはまったく違う新しい感動が山のようにあった。
そしてそれと同時に、新しくやるべきこと、焦点を絞るべきポイントもどんどん見えてきた。
焦点を絞り、そして突破しよう!
フォーカル・ポイント
ブライアン・トレーシー ディスカヴァー・トゥエンティワン 2009-10-03
|
関連エントリー:
- 2010年 No.1名著!! 人生の指針を”焦点”に絞れ! “フォーカル・ポイント” by ブライアン・トレーシー
- 本気で成功したけりゃこれを読め 書評「非常識な成功法則」 by 神田昌典
- 20歳の時に出会いたかった名著! “ユダヤ人大富豪の教え” by 本田健
- 成功するだけでは幸せになれない。何をして成功するかが重要だ! “大好きなことをしてお金持ちになる” by 本田健
- 億万長者は「状態」ではなく「能力」だ! “億万長者専門学校” by クリス岡崎
FacebookにNo Second LifeのOfficial Page(ファンページ)を作りました!下の画像をクリックして登録してください!
Facebookコメント
http://t.co/TyumkpbT どうしても人生を突破したい人だけに送る10の法則 書評 「フォーカル・ポイント」 by ブライアン・トレーシー | No Second Life
“どうしても人生を突破したい人だけに送る10の法則 | No Second Life” http://t.co/lclDJ2Ig
ありがとうございます(^-^) RT @rklock_: 勉強になりました☆ RT @ttachi どうしても人生を突破したい人だけに送る10の法則 書評 「フォーカル・ポイント」 by ブライアン・トレーシー http://t.co/A9jflgKE
勉強になりました☆ RT @ttachi どうしても人生を突破したい人だけに送る10の法則 書評 「フォーカル・ポイント」 by ブライアン・トレーシー http://t.co/Syy9AGEh