GMOドメインレジストリ株式会社は27日、大阪を表す新gTLD「.osaka」について、ICANNへの申請手続きを開始すると発表した。同ドメインの管理運営事業者(レジストリ)として申請するのに必要な、大阪府からの支持をGMOドメインレジストリが取り付けた。
ICANNへの申請後、約半年の審査期間などを経て、最も早い場合で2013年1月から「.osaka」の運用を開始する見込み。GMOドメインレジストリでは、「ICANNへの申請手続きを進めるとともに、『.osaka』の運営を通じて観光、商工、文化、スポーツ、地域振興など、さまざまな分野において『大阪』ブランドの存在感を国内外にアピールする活用の提案を続けていく」としている。
新gTLDとは、gTLD(generic Top Level Domain:分野別トップレベルドメイン)として、新たに社名や地名などを使えるようにする枠組み。ドメイン名やIPアドレスなどのインターネット資源を管理しているICANNが1月12日から4月12日まで、こうした新gTLDを管理運用する事業者を募集している。
ただし、「.osaka」のような地域名の新gTLDを申請するにあたっては、該当する地域を管轄する自治体からの支持が必要。大阪府では、「.osaka」申請事業者への支持文書の交付受付を1月4日から1月31日まで行っていた。
なお、こうした都道府県名の新gTLDでは、支持文書は、審査の上、1社に絞って交付するのが一般的。しかし大阪府では、一定の要件を満たす事業者が複数あった場合は、該当事業者すべてに支持文書を交付し、最終的にICANNに申請手続きを行う事業者の決定には関与しないというスタンスだ。
「.osaka」については、GMOドメインレジストリのほか、ビジネスラリアート株式会社、株式会社フューチャースピリッツ、株式会社インターリンクが申請し、4社すべてに支持文書が交付されている。
GMOによると、他3社の動向にかかわらず、同社はICANNへの申請手続きを進める考え。新gTLDの申請手続き自体が非常に時間がかかるため、すでに他の新gTLDとあわせてICANNへの申請手続きを開始させているのだという。まずは「.osaka」を実現させることを優先し、このまま継続して申請手続きを進め、「3社とはどこかのタイミングで調整を行い、あらゆる可能性を含めて協議させていただくことになる」としている。
ICANNの募集規定では、申請のあった文字列が締め切り後に公表され、もしバッティングする文字列があれば、該当する事業者間で調整する流れ。「.osaka」のように地域名の新gTLDの場合、同一文字列に複数の申請があった場合はICANNによる審査がペンディングされるが、管轄する自治体からの申し出があれば通常の文字列と同様にオークション手続きがとられる場合もあるという。
一方で、ICANNに申請するだけでも多大な申請費用が必要になるため、各社ばらばらにICANNへの申請手続きに入ってしまうと無駄な費用が発生することになる。4社間で事前調整を模索する動きもある。
すでにGMOドメインレジストリは、東京を表す「.tokyo」について東京都からの支持を得ているほか、沖縄の「.okinawa」および「.ryukyu」の申請・運用業務を受託することを発表済み。
一方、京都の「.kyoto」の管理運営事業者については、京都府が支持文書を交付する事業者を1月16日から2月10日まで募集していたが、こちらは京都府内に主たる事務所を置いていることが条件。GMOドメインレジストリは、その1社として応募しているドット京都株式会社と業務提携することで内定している。
【追記 18:40】
GMOドメインレジストリのほかに大阪府から支持文書を交付されたビジネスラリアート株式会社、株式会社フューチャースピリッツ、株式会社インターリンクについても言及するなど、記事を加筆ならびに一部修正しました。