官庁の「基金」が急増しているゾ 今すぐ「埋蔵金」を召し上げろ
【政治・経済】
これじゃ、いくらカネがあっても足りないはずだ。野党時代、民主党は、官僚の無駄遣いにメスを入れることで財源を捻出すると公約していた。ドジョウ首相も「シロアリ役人を退治する」と豪語していたものだ。
ところが、霞が関の官僚たちは「基金」を使ってドンドン利権を拡大させている。
会計検査院の報告書によると、国庫から補助金が出ている「基金」の数は、2006年度末は838だったが、2010年度末には3859に急増。「基金」が保有する額は7591億円から、3兆4397億円と5倍に膨らんでいる。
政権交代前、民主党は「基金」に切り込むと言っていたが、ほとんど手をつけられず、いまだに約2兆円が使われることもなく「基金」にプールされたまま。
それどころか、震災復興のために組まれた2兆5000億円の「第4次補正予算」からも、次々に「基金」に税金が流れている。厚労省だけでも、復興とは無関係な「子宮頚がんワクチン基金」の積増金として500億円など、4800億円も要求。2兆5000億円のうち復興に使われるのは5000億円だけだ。官僚はやりたい放題になっている。官僚の実態に詳しいジャーナリストの若林亜紀氏が言う。
「役人にとって基金は、使い勝手がいい。一般会計だと予算は1年間限りで終わりですが、基金だと何年にもわたって使える。基金の資金を使って天下り先もつくれるし、ポストも増えます。だから、いったん基金をつくると不要になっても手放そうとしない。問題は、財政に余裕がないのに赤字国債を発行してまで基金をつくっていることです。民主党は公約通りメスを入れるべきです」
小沢一郎が、「自民党政権と同じことをやっていて、カネがないのは当たり前だ」と、消費税アップに血道を上げる野田首相を批判していたが、まさにその通りだ。ドジョウ首相は、消費税をアップする前に霞が関の「埋蔵金」をすべて召し上げるのが先だろう。