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'12/2/28

社長会見で「雇用は継続」




 会社更生法適用を申請した半導体大手、エルピーダメモリ(東京)。東京で27日会見した坂本幸雄社長は「従来通り事業を続け、事業再建を図る」と述べ、広島工場(東広島市)の操業と雇用の継続を目指したいと述べた。破綻の要因については、為替の円高で「完璧に競争力を失った」と振り返った。

 硬い表情の坂本社長は「多大なるご迷惑をかけて心よりおわび申し上げる」と頭を下げて陳謝。2009年、改正産業活力再生特別措置法(産業再生法)に認定されて経営再建に努めてきたが「大幅に環境が悪化し、債務の支払いが困難になった」と述べた。

 今後について「DRAM(記憶保持動作が必要な随時書き込み読み出しメモリー)の火は消したくない。従来通り事業を行い、広島工場も引き続き操業する」とした。再建では広島工場も一層のリストラを迫られる可能性もあるが、従業員削減などについて「考えていない」と述べた。

 企業の再建で名をはせ、エルピーダでも激変する市況を強気の経営で切り抜けてきた坂本社長。時折、声を震わせながら、更生法の適用申請は、頼みの綱の事業提携や返済の繰り延べ交渉が難航したことが背景にあると明かした。

 破綻の要因に、価格競争の激化と対ドル円高の進行を指摘。リーマン・ショック前と比べ「企業努力ではカバーしきれない」と語った。自らの経営責任については「会社の行く末を見届けるべきだと思う」とし、辞任を否定した。

【写真説明】会社更生法の適用を申請し、記者会見で頭を下げるエルピーダメモリの坂本社長(左)ら(東京証券取引所)




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