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<原発再稼働Q&A>現状や課題は?

毎日新聞 2月26日(日)13時48分配信

<原発再稼働Q&A>現状や課題は?
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高浜原発3号機停止で関西電力の全原発、11基の発電量がゼロになったことを示す系統監視盤=大阪市内で2012年2月20日、竹内紀臣撮影
 電力不足への不安の高まりを背景に、定期検査(定検)で停止中の原子力発電所の再稼働が大きな焦点となっている。夏場の電力需給もにらみ、政府内には早期の再稼働を目指す動きも出てきたが、東京電力福島第1原発事故が完全に収束しない中、立地自治体には不安や不信が根強い。再稼働をめぐる現状や課題をQ&Aでまとめた。

【現在の状況は】2月公開の福島第1原発の写真と映像

 Q 日本の原発の現状は?

 A 原発は原則13カ月に1度、原子炉の運転を止めての定検が義務付けられています。国内54基のうち東電柏崎刈羽原発6号機と北海道電力泊原発3号機の2基は現在稼働中ですが、柏崎刈羽6号機は3月中に、泊3号機は5月までにそれぞれ定検入りします。福島第1原発事故後、政府は安全評価(ストレステスト)などで安全性が十分に確認できるまでは定検を終えても原発を再稼働させない方針。このため、5月には全原発が停止する見通しです。

 Q 全原発停止の影響は?

 A 日本は原発事故前まで電力供給の約3割を原発に頼ってきました。事故後は原発停止や再稼働停滞に伴う電力不足分を火力発電の増強などで穴埋めしていますが、電力需要が高まる夏場などは、家庭や企業の節電努力がないと、電力不足が深刻化するリスクがあります。

 政府の試算では、原発全基停止のまま、今夏が10年並みの猛暑となれば、最悪の場合、沖縄を除く9電力会社管内で平均9.2%の電力不足に陥る恐れがあります。政府は中長期的な「脱原発依存」を目指しつつ、短期的には安全性が確認された原発は再稼働させる方針を示しています。

 Q 安全性をどう確認するの?

 A 再稼働に向けた手続きは(1)電力会社が各原発の安全上重要な施設や機器が想定を超える地震や津波にどの程度耐えられるかを示すシミュレーションを実施(ストレステストの1次評価)(2)1次評価の結果を原子力安全・保安院が審査(3)原子力安全委員会が保安院の審査結果を確認(4)原発の立地自治体の同意を前提に、首相、官房長官、経済産業相、原発事故担当相が最終的に再稼働を判断する−−という流れです。

 1次評価は、簡単に言えば、炉心損傷など深刻な事故を起こさない対策がどれだけできているかを調べるもので、電力8社が計16基分の1次評価書を提出済みです。最も手続きが進む大飯原発3、4号機について、関西電力は1次評価で設備補強などにより従来基準の1.8倍の地震の揺れや、4倍の高さの津波に耐えられると報告。保安院は今月中旬、「妥当」との審査結果を出し、安全委員会が確認作業中です。

 Q ストレステストの問題点は?

 A 専門家からは「どこまでの地震や津波に耐えられれば安全だと言えるのかの基準がないまま、再稼働の是非を判断するのはおかしい」などと指摘されています。

 また、仮にストレステストに“合格”しても、現状では原発が立地する地元から再稼働の同意を得るのは厳しそうです。大飯原発を抱える福井県の西川一誠知事は、ストレステストだけで地元は再稼働の是非を判断できないと指摘。「国がまず福島原発事故の知見を反映した安全基準を示すべきだ」としています。

 Q この冬は寒かったけど、停電もなく乗り切れそう。この先も原発無しでも何とかなるんじゃないの?

 A 今は古い火力発電所や企業の自家発電設備もフル稼働してしのいでいますが、大規模発電所がトラブルで停止すればたちまち電力不足が顕在化しかねない綱渡り状況です。

 また、燃料の天然ガスなどの高騰で火力発電のコストが大幅に上がっているのも問題です。これまで再稼働に慎重姿勢を示してきた枝野幸男経産相も24日には「原発を使わず、その分火力に頼れば、電気料金が10%とか15%とか上がるのは必然」と指摘。「安全が確認でき、地元の理解が得られたら、(原発を)再稼働させていただく必要がある」との認識を示しました。【和田憲二】


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最終更新:2月26日(日)16時51分

毎日新聞

 

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