■借り換えに条件
しかし、11年に入るとDRAM市況が悪化し、経営が逼迫する。昨年12月上旬には、三井住友銀行、みずほコーポレート銀行、三菱東京UFJ銀行、住友信託銀行の主力取引4行がエルピーダに対する協調融資の借り換えに応じる3点セットを条件に突きつけた。(1)業界再編が軸の経営再建計画策定(2)日本政策投資銀行の支援継続(3)経済産業省の産活法再認定――だ。
エルピーダに出資している日本政策投資銀行も「抜本的な構造改革がなければ、3月末以降は金融支援しない」と厳しい姿勢を示していた。
金融機関を納得させる再建計画を策定するため坂本社長は国内外を奔走した。台湾製造業大手台湾プラスチックや傘下のDRAMメーカーの南亜科技、DRAM世界4位の米マイクロン・テクノロジー、東芝などと協議を重ねた。
1月後半には、米マイクロンを最有力として交渉を進めたが、提携に前向きとされた前最高経営責任者(CEO)死去で交渉は振り出しに戻る。資金繰りのために進めていた広島工場の売却交渉のメドも立たなかった。
24日にはエルピーダをめぐる金融機関の交渉があり、融資の返済期限を半年延ばす案も検討されたが、「3月末までに業界再編につながる資本・業務提携の最終合意が必須」と政投銀が譲らなかった。
しかし27日、3月末までのマイクロンとの提携合意は難しいことが判明。万策が尽きた。
エルピーダメモリ、坂本幸雄、みずほコーポレート銀行、サムスン電子、住友信託銀行、三井住友銀行、三菱東京UFJ銀行、金融機関、CEO、マイクロン・テクノロジー、台湾プラスチック、東芝、南亜科技
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