大阪府教委は24日に卒業式を実施した府立高校32校のうち、君が代斉唱時に起立しなかった教職員が6校で8人いたと発表した。昨年6月、教職員に君が代起立斉唱を義務づける君が代起立条例が施行されて以来、初の卒業式で、事前に府教委が全府立学校教職員を対象に起立斉唱を求める職務命令を出していた。8人については起立しなかった理由などを確認したうえで、職務命令違反で懲戒処分(戒告)する見通し。【田中博子、佐藤慶】
この日は府立学校の卒業式シーズン初日。3月16日までに212校で実施されるため、不起立により処分が増える可能性がある。昨年の入学式で起立しなかった教職員は38人でうち事前に職務命令を受けていた教員2人が戒告処分となった。
2月府議会には松井一郎知事が「同じ職務命令に3回違反すれば分限免職」とする職員基本条例案を提案している。可決されれば、今年4月の入学式から適用される。
松井知事は24日、8人について「教育公務員としての適格性を欠いている。トップである教育長が職務命令したのを無視した確信犯」と批判。大阪市の橋下徹市長も同日、「直ちに辞めてもらいたい。公務員という身分を外して、自分たちの歴史観で自由に振る舞ったらいい」と述べた。
一方、弁護士らでつくる「大阪社会文化法律センター」は同日、職務命令について、「現場に教育委員会が指導介入することを否定した学校教育法の趣旨をないがしろにする暴挙」とする声明を出した。
毎日新聞 2012年2月25日 東京朝刊