アメリカの原子力規制委員会のメザーブ元委員長は、国会の原発事故調査委員会に参考人として出席し、東京電力福島第一原子力発電所の事故で格納容器の圧力を下げる「ベント」が行われたことについて、「そのような決定を大統領が下すことはない」と指摘したうえで、緊急時の対応を決定する権限をあらかじめ現場の専門家に委譲しておくべきだという考えを示しました。
この中でメザーブ元委員長は、原子力の規制を担う組織について、「政治的介入を受けず、電力会社からも自由で独立していることが重要だ。また、国民の意見を聞きながら公開性と透明性が高いものでなければならない」と述べました。
またメザーブ氏は、福島第一原発の事故で格納容器の圧力を下げる「ベント」が行われたことについて、「そのような決定を大統領が下すことはない。アメリカでは考えられない」と指摘したうえで、「緊急時に備えて、命令体系を事前に定め、責任と権限を現場の専門家に委譲しておくことが重要だ」と述べました。
そして、「原子力に関わるすべての人が、安全を個人の責務として自覚することが重要だ。懸念があったら上司に伝え、その上司が関心を示さなければ、さらに上に伝えなければならない」と述べました。
政府は、環境省の外局として「原子力規制庁」を4月に発足させることを目指して国会に法案を提出していますが、事故調査委員会は、政府から独立した機関として位置づけられているアメリカの原子力規制委員会も参考にしながら、6月をめどにまとめる報告書に組織の在り方に関する提言を盛り込むことにしています。
[関連リンク] |
|