広島市の松井一実市長は26日、破損や劣化の状況を調べる「健全度調査」が実施されている原爆ドーム(中区)の内部を視察した。高さ約25メートルのドーム頂上付近まで上った松井市長は「奇跡的に残った、原爆のすさまじさを伝えるものがあること自体貴重で、ちゃんと残しておく必要がある」と話した。
健全度調査は、89年度の保存工事以降ほぼ3年ごとにあり、現在はドーム内外に足場が組まれ、通行路に近い西側は落下防止用のメッシュのシートで覆われている。3月初めに足場の解体作業を始め、同15日には完了する予定。
松井市長はこれまでの保存工事や調査について市職員から説明を聞きながら視察した。視察後「太い鉄のはりがいびつに曲がっており、どれほど強い力が加わったかと改めて感じた。昨年(東日本)大震災もあり、基本的な枠組みが崩れないような耐震性を今後どうするか大変だと思う」と語った。【加藤小夜】
毎日新聞 2012年2月27日 地方版
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