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地質環境の長期安定性に関する研究
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地質環境の長期安定性に関する研究
地層処分研究開発部門
東濃地科学研究ユニット
自然事象研究グループ
Q.火山がない地域にも、新しく火山ができるのではないでしょうか?
A.新しい火山は既存の火山の周辺にはできますが、大きく離れた場所で新たな火山ができる可能性はほとんどありません。
ひとつの活動域内(火山地域や単成火山群)では、将来も新たな火山の発生が考えられますが、新たな火山が既存火山の分布範囲から大きく離れた場所に発生する可能性は低いと考えられます。
図 新たに出現した火山から最も近い既存火山までの距離(仙岩地域)
図 新たに出現した火山から最も近い既存火山までの距離(東伊豆単成火山群)
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既存の火山からどの程度の範囲に新たな火山が発生する可能性があるかを明らかにすることも重要となります。ここでは、仙岩火山地域(複成火山の密集地域)および東伊豆地域(単成火山群)を例に、ひとつの活動域内における個々の火山の空間的特徴を検討しました。
仙岩火山地域においては、最近百万年以内に発生した火山を対象にして検討した結果、新たな複成火山の多くは、既存の複成火山から5〜6 km程度の範囲内に発生していることがわかります。また、東伊豆単成火山群では、早川・小山(1992)、小山ほか(1995)のデータを用いて、最近十万年以内に発生した火山を対象にして検討した結果、単成火山の多くは既存の単成火山から3〜4 km程度の範囲内に発生する傾向が認められます。これらのように、ひとつの活動域内(火山地域や単成火山群)では、将来も新たな火山の発生が考えられますが、新たな火山が既存火山の分布範囲から大きく離れた場所に発生する可能性は低いと考えられます。
[文献]
早川由紀夫,小山真人(1992):東伊豆単成火山地域の噴火史1:0〜32ka,火山,37,pp.167-181.
核燃料サイクル開発機構(1999):わが国における高レベル放射性廃棄物地層処分の技術的信頼性−地層処分研究開発第2次取りまとめ− 分冊1 わが国の地質環境,サイクル機構技術資料,JNC TN1400 99-021,p.II-71.
小山真人,早川由紀夫,新井房夫(1995):東伊豆単成火山地域の噴火史2:主として32ka 以前の火山について,火山,40,191-209.
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