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2011.02/08 [Tue]
「朝まで生テレビ」(2011.2.4放送)書き起こし−(1)「君が代日の丸問題なんて興味ない?」(前編)
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2月6日放送の「たかじんのそこまで言って委員会」があまりにもおもしろくなかったので(TPP反対代表が山田前農水大臣とか、アホかっていう人選。「賛成」に世論誘導したいんでしょうかね、やっぱり)、代わりに、ネットで大騒ぎになっている、先日の「朝生」を一部、起こしました。
見た時はあまりの毒電波に気力を持っていかれましたが、あまりの強烈さに、見た後も、映像やら言葉やらが頭から消えず、いろいろなことを考えてしまったのですよ。
発言の内容以前に、話し合いの基本的ルールさえ理解していないホリエモンは論外だと思います。
が、かといって、私も最初に録画を見た時、「バカ」だの「アホ」だの「信じられない」だの、いろいろ言いましたが、それで終わらせるには、程度の差こそあれ、ホリエモン的思想に共鳴してしまう人のボリュームが今の日本では大きくなりすぎているのではないかと。
であるならば、ホリエモン的思想の人に対して、「それはちょっとちがうと思うなあ」「私はこう思うよ」ということを、自分だったらどうやって伝えようとするだろうかということを考えた方が建設的なんじゃないかと。
そう考えると、日本のクサレマスコミにおいてさえ、今までもこれからもないかもしれないほどの強烈さであった、この「朝生」はとてもいい「問題集」になるのではないかと。
そんな気持ちから始めた書き起こしでしたが、改めて、「日本の戦後教育の正体そのもの」をこれほどに明らかにしてくれた番組もないのではないかという思いを強くしました。
放送日:2011年2月4日
テーマ:「激論!日本は本当にダメな国なのか?!」
司会: 田原 総一朗
進行: 長野 智子・渡辺 宜嗣(テレビ朝日アナウンサー)
パネリスト: 大塚耕平(厚生労働副大臣、民主党・参議院議員 51)
齋藤健(自民党・衆議院議員 51)
松田公太(みんなの党・参議院議員 42)
辻元清美(無所属・衆議院議員 50)
東浩紀(批評家・作家 39)
飯田泰之(駒沢大学准教授 35)
猪瀬直樹(東京都副知事、作家 64)
金美齢(評論家、JET日本語学校理事長 76)
竹田恒泰(慶応大学講師 36)
津田大介(ジャーナリスト 37)
堀江貴文(元ライブドア社長 38)
夏野剛(慶応大学大学院教授 45)
( 「朝まで生テレビ」(テレビ朝日)HP より)
書き起こしは、「中東の革命とインターネットメディア」、「日本は本当にダメな国なのか」、「デフレ脱却」 などなどの話(←この部分もツッコミどころが満載ですが、時間の関係上省略。金さんに対するホリエモンの態度ひどすぎ。)のあと、番組開始後1時間38分頃から番組最後まで、1時間ちょっとくらいです。
素人の起こしゆえに不手際はありますが(キッパリ)、それ前提で、よろしければお付き合いくださいませ。
(文字強調は読みやすくするために、私の独断と偏見にて行いました
(以下敬称略)
田原「今日は猪瀬さんがいらっしゃっるので、ぜひこれをやりたいと思います。
日の丸君が代訴訟なんです。古い話なんです。
(パネル−「日の丸・君が代訴訟」の主な経緯)
卒業式なんかで日の丸を掲げ、君が代を歌う時に、立たなかった、歌いもしなかったという先生がいて、最初の時には先生の方が勝ったんですね。立たなくていいんだと言論の自由、表現の自由だからいいんだと。
ところがそれが今年の1月の28日で東京高裁で逆転。やっぱり立たなきゃいけないんだと。で、歌わなきゃいけないんだというふうになったと。
これをそもそもそういう風にしないといけないと決めたのは東京都の石原知事なのね。石原さんが立って歌えと言った。その直後に日の丸が国旗で君が代が国歌だということが制定された。
で、今、問題。こういうふうに君が代日の丸の時には立ってちゃんと歌え!最初の裁判では歌わない側が勝ったけれど、高裁ではやっぱり歌わないといけないということになった。
さあ、これをどう考えればいいかということで、猪瀬さんが当事者でいらっしゃるので、ここで論議をしたい。」
猪瀬「直接僕はこの件には関与していないけどね。この件がなんで問題になるのかわからないけどね。つまり、アジアカップの時にはみんな歌っているわけであって、それはごく普通のことでしょ。それは多分、こういう場合は、あの日本の戦争は天皇がやったんだと、だから、天皇に責任があるから、だから君が代を歌わないんだと。あるいは日の丸を掲揚しないんだと。でも、国歌というのは明治時代からずっとあるわけですから、それから天皇に戦争責任があってもなくても国歌というのは別に存在するでしょ、ということにすぎないわけで、多分、嫌な人は口パクパク開けて歌っていればいいんだろうし、それはあとは自分で考えてやればいいことだけど、その時に、そういうことをたとえばやって、こういう判決が出たら、日本は暗い社会になったなあとこういう言い方をする、パラダイムというかパターンがいまだにあるのかなあということですよね。つまり、意味わかります?」
金「わかります」
猪瀬「それほど問題ではない話なんですよ。」
金「 軍国社会に向かっているとか、言うことでしょ。」
田原「辻元さん、どう思います?」
辻元「私、この国旗国歌法の審議の時に加わっているんですよ。その時もこの問題はひとつの焦点になったわけですよ。内心の自由との関係とか、いろんな論点がありました。政府の見解答弁は、私、今日、それがなるって言ってるから持ってきたんですけど、小渕さんが当時首相でね、『国民に対し、国旗の掲揚、国歌の斉唱等に関し義務付けることは考えておらず、法制化により思想良心の自由との関係で問題は生じることにならない』とか。
教員はどうだっていうのも論点があったんですよ。答弁は有馬文部大臣だったんですけれども、『本当に内心の自由で嫌だと言っていることを無理やりする、口をこじ開けてでもやるとか、よくあるはなしがありますが、それは教員に対してもそういうことをするのは許されない』、というね。答弁だったんですよ。
ですから、その通りの運用がなされるということで当時は国会では審議をやった。国旗国歌法は真っ二つに割れたわけですね。国会議員も、真っ二つに割れた採決でした。
ですから、この問題が今何で言われるのかって言われるんだけど、この当時からやっぱり論じられている問題で政府答弁はそうだったから、その通りで、私はそれでいいなってその当時は思いましたけどね。」
田原「堀江さん、どう?」
堀江「僕はもうどっちでもいいかなっていう。」
田原「関係ない?どうでもいい?」
堀江「そんなことを、そんななんか、こだわってるのがちょっとようわからんなみたいなはなしですね。」
東「いきなりはなし混ぜっ返すみたいですけど、一番最初のなんで若者は怒らないのかって話と関係しているんですけどね、根本的に若い人たちはデモなんかしたってこの国変わらないと思っているわけですよ。これは今日政治家の皆さんがいるところで多少失礼な物言いになるかもしれないんですけど、僕は職業上、若くてもの考えてる学生みたいな人間に会うことが多いですけど、率直に言って、今、政治で物を変えるために国会議員になりたいですっていう人ははっきり言って無知ですよね。無知っていうのは世の中のいろんな法律を知らないとかそんなことじゃなくて、これからの世の中どう変わっていくかって言った時に、ツイッターとかフェイスブックの話とかありましたけど、そういう情報技術のリテラシーとかそういうことってすごく大事だし、今のメディアの環境が変容しているわけだから、たとえば、大学生でいきなり文芸春秋読んでるやつがいたら、そいつは基本的にちょっとおかしいと思わなくちゃいけなくて、それはリアルな賢い若者がやってることじゃないわけですよ。ところが、」
田原「若者は何を読んでるの。」
東「若者は何を読んでいるかは多様だと思います。いろんな人がいます。けれども今この国で国会議員になってすぐ世の中を変えられる、それが今の社会の在り方だって思ってる若い人たちはやっぱりちょっとずれている。それがいいか悪いか僕はわかりませんよ。
けれども、この国では政治っていうものに対する期待がすごく下がってる。で、今、ここで日の丸君が代訴訟っていうのは大きな問題だって、取り上げられようとしているけど、僕、さっきからツイッタ見てもやっぱり「ええっ」って感じだし、そういうところあるんですね。」
田原「ただね。この問題について、朝日新聞は社説で、これは反対だと。やっぱり少数の歌いたくないと、立ちたくないという人間を守るべきだと。読売新聞は妥当な判決だと。正反対なんだよ。」
金「あのね。国旗に関してね。サッカーの試合でもオリンピックでも、どんな若者でも無条件に旗を振りかざしているじゃないですか。それから、どこの国に行っても、そこの国の国旗や国歌に対して、基本的な敬意を示すっていうのが世の中のルールなんですよ。だけど、自分がこの国旗国歌に対して、絶対に賛成できないって言ったら、それ相応の覚悟っていうものがやっぱりいるんです。」
田原「ただね、金さんね、私が年取ってるから知ってるんですけど、村山さんって人が総理大臣だった時に、村山談話っていうのがありまして。近い過去ですね、遠くない過去に日本は侵略行為を行ったと。多くの国に。侵略行為を行った。言ってみれば、 日の丸と君が代は侵略行為のシンボルだということになりますね。で、あれをその後自民党の首相は誰も村山談話を否定していない。ということは、日の丸君が代は侵略戦争のシンボルだっていうことになってるんだけど。・・・・あんまりみんな興味ないかな?」
猪瀬「新聞というのはそこで遅れていると思うのね。つまり、先ほど、東さんが言った、若い人関係ないよっていう。それを新聞は・・・。いくつか新聞に決まっているパターンがあって、『こういうのは必ず取り上げなきゃいけない』っていうそういうものに過ぎないんじゃないかと思うのね。
そんなことを言ったら、アメリカの国歌でもフランスの国歌でも、みんな敵を倒せっていう軍歌みたいな国歌ですから、それはそれとして、そういう国歌もあるわけだけれども。
もうひとつは、あるステレオタイプの歴史観があると思うんです。つまり、あの戦争はどういう戦争だったかっていう時に、軍部が独走して天皇がそれをやったみたいな理解の仕方がずっと長い間あったと思います。」
田原「今もあると思うけど!」
猪瀬「だけど、実際には、ちょうど今の各霞が関の役所が自己増殖していくみたいに、陸軍が・・・。僕は道路公団やりました。道路公団は関東軍だって言ったんですが、国土交通省から外れた関東軍、つまり、道路公団が勝手に自己増殖していくと。こういう官僚機構の生態系の一つとして、あの戦争の、要するに、制御機能がなかった日本の政府というものが存在していて、さらに付け加えるならば、原敬が対象10年に暗殺されて以降、日本の政権は毎年交代していました。ほとんど一年ずつ。つまり、平均寿命一年だった。そういう原敬が死んだあと、」
田原「何人も暗殺もされた。」
猪瀬「暗殺もされた。そういう中で、官僚機構も制御できなくなり、出先が勝手にいろんなことを始めていくという構造の中で、戦争が起きた。それが戦争の原因だということについての認識がなく、天皇だ、あるいは軍部だっていう、ステレオタイプが世界観をそのまま抱えている人たちがこういうことを言っていると思います。つまり、」
田原「どっち?」
猪瀬「こういう国旗国歌ということについてことさら言ったり、あるいは新聞もそのステレオタイプの世界観の中で、ある程度既に戦後ずーっと・・・」
田原「いや、わかった。あとは、」
金「それもね、日本独特の現象ですよ。どこの国にもね、旗を背負ってね、侵略戦争をしたとか、戦争を起こしたっていうケースはいっぱいあるのよ。日本の独特なね、これは現象であって、いつまでたってもこの問題が解決されていないっていうか、」
松田「なんで解決されないかっていうと、日本人って、日本という国の中に閉じこもっているからなんですね。私は帰国子女なんですね。海外に行ったら、『自分が日本人なんだ!!』っていうアイデンティティをすっごく感じるんですよ。そうすると、国旗に対しても愛着心が出てきますし、国歌に対してもやはり愛着心が出てくるんですね。ですから、どうしても海外に出ていかない、今の日本人。それがあるんで、」
飯田「問題をすぐに倫理的に悪かったから悪いっていう方向に持っていこうとするんですね。今、猪瀬さんが仰ったように、戦争責任とか、何が悪かったかって言えば、端的に言えば、負けたのが悪かったわけですし、負けるような戦争に行かざるを得ない生態だった、システムだったことが悪い。そっちにいかないで、気持ち的に何かワルモノだったから負けたっていう価値観。これ、僕、すごく問題だと思うんですね。実際の今の政治の文脈で言っても、たとえば、個人的にその政治家がいい人なのか、悪い人なのか。まあ悪い人でいいとは思わないんですけれども、個人的なパーソナリティの方が重視されてしまって、ちっとも政策の話が進まない。」
田原「でも、飯田さん、そうは言うけれど、歴代首相がね、侵略戦争だったっていう村山談話をそのままつないでいるわけよ。」
辻元「この問題は戦争の歴史っていう問題、さっきちょっと、法律が制定される時の議論。もう一つは国家と個人の関係も論じられたわけですよ。国家に対して個人が忠誠を誓うとか、でも、この国家が嫌いだという人がいるかもしれないと。たとえば、エジプトの、がありましたね、エジプト個人がばあっと、あの後どうなったかわからないけれど、じゃあ、エジプトという今の国家に対してみんながアイデンティティを持って、とてもいいと思っているかというと、不満を持っている人がいて、ああいうことになっている。ですから、」
猪瀬「それ、関係ないじゃない」
辻元「ですから、内心の自由の議論になったらそこに行き着くと思うんですよ。戦争のことだけじゃなくって、両方の側面の議論があったし、私はやっぱり両方の問題というのはか変えていると思います。」
東「だから、今の社会の議論で行きませんか。」
大塚「つまり、国旗と国歌、新しいの作るって大変なことでね、戦争の評価と、国旗国歌が日の丸と君が代であるということを切り離して、もし考えられれば、大分いろんな解決策が見えてくると思うんですけどね。」
(後編に続く−なるべく早くアップします)
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今、地方で、事実上の「外国人参政権」を認めるような動きが拡大しています。
北海道の森林買収問題、池袋のチャイナタウン化、新潟及び名古屋での中国総領事館移転などの問題もあります。
今、地方も危ない!
<参考記事>
「生駒市:外国人地方参政権」市民の意見は無視 (やまと新聞)
22市町に外国人住民投票権 自治体の無警戒さ浮き彫りに(産経新聞)
住民投票での外国人投票権は「合憲」 政府答弁書(産経新聞)
【日本を】『日本解体法案』反対請願.com【守ろう】
全国要検討制度一覧「ひのもと交差点」様)
北海道の森林買収(北海道道議会議員小野寺まさる氏のHP)
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お疲れさまです。
まだ、ちゃんとは見ていませんが、削除はしないつもりです。
>はとてもいい「問題集」になるのではないかと。
と、私も思います。
たまたま家に戻った息子とツイッターで朝生のフォローがリアルタイムだった旨の話を聞きました。
ホリエモン氏、後半は(?)、モバイルをずっと操作していたそうですね。
良い問題集ならば、良い回答集を作らねばなりませんね。