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【宇宙からのメッセージ】小松左京と秘書のおかしな物語(2)
2012.2.23 08:17
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東京・紀尾井町のホテルニューオータニのガーデンラウンジで、あらためて「大正文化研究会」のアシスタントとして紹介された。小松さんは加藤さんからの説明を聞きながら、研究会のメンバー人選や研究資料の購入について相談し、「じゃ、オトベチャン、そういうことでやっておいて」というような言い方で指示したように思う。
小松さんは私と目をあわさなかったが、私は単にシャイなのだろうと思っていた。のちに「だって、怖そうだったんだもん」と言われて、驚いた。
当時はまだ携帯電話もないし、大阪の事務所もない。小松さんとの連絡はどうしていたのだろうか。東京・赤坂見附にある東急エージェンシーの中に「小松左京室」という部屋が設けられていた。五島昇さんが会頭だった日本商工会議所100年イベントや、1979年の武道館における「エレクトロオペラ」などの核になったところである。そこで小松さんの東京でのスケジュールをきき出して、アレンジしていたのであろう。
私は学習院の東洋文化研究所の小松左京研究室に、指示された資料をそろえ、週に何日か行ってそれらに目を通していた。小松さんと会うのは、ほとんど、オータニのガーデンラウンジだった。(乙部順子)
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3月17日から4月22日まで吹田市立博物館(大阪府)で「小松左京写真展 宇宙に翔く夢」が開催されます。
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【プロフィル】乙部順子
おとべ・じゅんこ 昭和25年、東京都生まれ。成城大学経済学部卒。52年から小松左京さんの東京でのアシスタントを務める。20年前から、小松さんの設立した会社「イオ」を継承。「小松左京マガジン」(季刊)を10年以上発行し続けている。
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