神戸で一人暮らしする早瀬久美さん

＜早瀬久美さん＞

　神戸山手女子中学３年在学中に「女学生の友」（小学館）主催の「ミス・ジュニア・フラワーコンテスト」に入賞し、松竹にスカウトされて芸能界デビュー。６８年に放映された「お嫁さん」（フジテレビ）の主役で注目され、７１年２月にスタートした学園ドラマ「おれは男だ！」のヒロイン・吉川操役でアイドル女優になったのが早瀬久美さんだ。今どうしているのか。

　山陽新幹線新神戸駅から早瀬さんに連絡すると、「少し待ってて下さいね」という返事。６分後、記者の前にシルバーメタリックのベンツＳＬ５００が滑り込んできた。ハンドルを握っているのは笑顔の本人。ドラマみたいな登場の仕方じゃないか。

「１年ほど前、東京から引っ越してきたんですが、坂が多い神戸はクルマが必需品。特に今住んでる灘区の実家は駅から遠い高台にあって、クルマは必要不可欠なの」

　それにしても、ＳＬクラスはベンツが誇る２シーターオープンスポーツカーの最高峰。「お友達に譲ってもらったの」とはいえ、おいそれと買える車種ではない。

　取材はホテルオークラ神戸のカフェレストランで。優雅な物腰はセレブなマダムそのものだ。

「結婚後の約７年間、サンフランシスコで生活し、一人娘の教育のために帰国したのが９０年。子育てが一段落したのを機に、９年前、芸能界に復帰しました。最近はエステや化粧品関係のトークショーのゲストに招かれる機会が多く、去年９月には、大阪で開かれたスイスの最高級アンチエイジングブランド『スイス・パーフェクション』のイベントに出させていただきました」

　ボランティアにも熱心で、１０月３０日、神戸芸術センターで行われた「アース・ビジョンｉｎ神戸」の広報を担当した。

「これは環境をテーマにしたドキュメンタリーやアニメーション作品を世界中から集め、その中から毎年大賞を決め、受賞作品を上映するイベントです。８９年１０月のサンフランシスコ地震で被災以来、地球環境に関心を持つようになりましてね。少しでも人と自然が共存できる社会にしたいと思ってお手伝いしてます」

　また、１１月２７日には、サンタクロースの衣装を着て東京・お台場を走るチャリティーイベント「バラエティー・サンタ・ファン・ラン・ジャパン２０１１」のサポーターを務めた。

「本来は体が不自由であったり、恵まれない子供たちのために走るイベントで、オーストラリアでは恒例行事になってます。日本では初めてで、東日本大震災で身体的、精神的に大きな傷を受けた子供たちを元気づけることを目的に、参加費から必要経費を除いた全額を、震災遺児や障害のある子供たちに寄付しました」

　ボランティアにチャリティー。セレブなマダムはこうでなくっちゃ。

　ところで、４年前、結婚２８年目にして熟年離婚し、周囲を驚かせた。

「フフフ、娘は独立し、ワタシは神戸で一人暮らしです。ロマンス？　残念なことに、今のところはありませんね。別に男嫌いになったわけでもなし、こればかりはご縁次第。おとなしくお待ちしてます」

　なお、１月２０日、三つ編みヘアにセーラー服のブロマイドを浅草・マルベル堂から発売した。

「ポーズは５パターンあって、１枚３００円。気分だけは女学生ですね、ハハハ」

（日刊ゲンダイ2012年2月22日掲載）

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