「キャプテン」のメンバーだった北澤清子さん

＜北澤清子さん＞

　アイドル全盛の８０年代前半、♪伊代はまだ１６だから〜と歌う松本伊代のバックで伊代チャンを盛り上げて歌い踊っていた２人組がいた。ユニット名「キャプテン」だ。そのひとり、北澤清子さんは今どうしているのか。

「ここに落ち着くまでいろいろあったから、順序立ててお話ししますね」

　恵比寿のマンションにある「ビューティハウスＢｅ」で会った北澤さん、こういって微笑した。

「１７歳のとき、スクールメイツに入ったのがきっかけで伊代ちゃんのバックコーラス兼ダンサーにスカウトされ、スクールメイツの後輩、山本恵子さんと『キャプテン』を結成しました」

　その後、一昨年、田島美和の名前で自民党から参院選に立候補して落選した麻生真宮子が加わり、「麻生真美子＆キャプテン」となった。

「ワタシたちはバリバリ歌って踊りたい。一方、麻生さんは路線が違った。で、やりたいことができないならと引退しようと、尊敬する（ビート）たけしさんに報告に行ったんです。そうしたら、“自分も近いうちに独立する。だから、ウチにおいで”とおっしゃっていただいて。それが８６年１２月８日の夜のことで、次の日の朝、テレビをつけたら、大きくフライデー襲撃事件を報じてた。ワタシたちと別れた後に講談社に乗り込んだそうです。もちろん、たけしさんの新事務所に移籍する話はパーになりました」

　結局、「麻生真美子＆キャプテン」は８７年に解散。キャプテンは「Ｂｅ―２」とユニット名を変えて「恋のバカンス’８７」で再デビューした。

「だけど、６枚目のシングル『やってられないわ』を出した後、まさにやってられないわ〜で、やめちゃいました、ハハハ。それが２８歳のとき。それからは人材派遣会社に登録し、ＯＬしてたんですけど、不思議とたけしさんとのご縁は続き、北野映画の『ＨＡＮＡＢＩ』や『菊次郎の夏』、深夜番組『北野ファンクラブ』などに出させていただいたんですよ」

　３２歳のとき、付き合っていた男性の浮気現場を見たショックで髪の毛がすべて抜け落ちる悪夢を乗り越え、３４歳で同い年の整形外科医と結婚。しかし、３９歳で破局。

「自分をリセットしたくて単身ニューヨークに渡り、現地のエンテル放送って放送局でイベントリポーターをしてました。でも、それだけじゃ展望は開けないじゃないですか。それで４３歳のとき、起業を思い立ったんです」

「幼い頃から人を癒やすことが喜びだった」北澤さんは、ハワイのロミロミ（ロミはハワイ語で揉む、押すの意味）を学ぶため、帰国してからは昼はＯＬ、夜は宅配便の仕分けなどでカネを貯め、ハワイと日本を往復。さらにお台場のサロンで働くなどして経験を積み、０９年７月、「ビューティハウスＢｅ」オープンにこぎつけた。

「当サロンではロミロミによるリラクセーションマッサージと催眠療法のヒプノセラピー、さらにオールハンドによるリンパ施術を組み合わせ、心と体の冷えを改善し、健康とバランスビューティーのサポートをしています」

　料金はコースによって異なり、１時間から３時間で８０００円から３万円だそうだ。

「この２月４日に４０、５０代の女性がより輝くためのプロジェクト『ｆ＃ｆａｃｔｏｒｙ』を設立しました。関心がある方はぜひホームページをご覧下さい」

　都内に一人暮らしだ。

（日刊ゲンダイ2012年2月17日掲載）

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