パソコンなどに使う半導体メモリーのDRAM世界3位で経営再建中のエルピーダメモリは27日、会社更生法の適用を申請する方針を固めた。DRAM市況の悪化で12年3月期に1千億円を超す連結最終赤字になる見通しで、自己資本が急減している。米半導体大手のマイクロン・テクノロジーや台湾企業との資本・業務提携を模索していたが、交渉が難航。4月以降の借入金返済に充てる資金調達のメドが立たず、自主再建を断念したとみられる。
27日中にも東京地裁に申請する見通し。2011年末の負債総額は約4800億円。
エルピーダは09年に改正産業活力再生法(産活法)の認定を受けた。業績不振に陥った一般企業を公的資金を使って支援する枠組みの適用第1号となった。日本政策投資銀行が優先株を引き受け300億円を出資したほか、三井住友銀行やみずほコーポレート銀行など主力取引銀行4行も約1000億円を協調融資した。
政投銀や主取引行は3月末に期限の切れる産活法の適用延長や融資の継続を認める前提として、抜本的な経営再建策の提出をエルピーダに求めていた。
これを受けエルピーダはマイクロンや台湾の半導体大手との資本・業務提携により、日米台連合で開発・生産体制を抜本的に再編する構想を進めてきた。値下がりしているパソコン向けの汎用DRAMを台湾で集中生産し、日本では高付加価値品に特化することで韓国サムスン電子などに対抗するシナリオだった。
さらにエルピーダの国内唯一の生産拠点である広島工場(広島県東広島市)をファンドに売却するなどして、固定費を削減。財務体質の改善につなげる方策を検討してきた。ただ提携交渉の見通しを含め再建への道筋が明確でないとして、一部の金融機関が支援継続に難色を示したもようだ。
4月2日には、エルピーダに対する優先株の買い取り請求権が政投銀に発生する。エルピーダは3月28日に臨時株主総会を開き、優先株の買い戻しのために資本金1500億円を取り崩す議案と、マイクロンなどとの資本提携をにらんで株式の授権枠を2倍に増やす議案を付議することを決定したばかりだった。
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